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海外環境ビジネス最新事情/ドイツ発国際エネルギー機関

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国際再生可能エネルギー機関IRENA設立
エネルギー安全保障とCO2排出削減の鍵

「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)」の設立会合が、1月26日にドイツのボンで開かれる。その設立に向けて長年、活動してきたのがドイツ連邦議会議員、ヘルマン・シェーア博士だ。ドイツの再生可能エネルギー推進政策の立役者としても知られるシェーア博士に、IRENAの活動について聞いた。

ヘルマン・シェーア博士

ドイツ連邦議会議員
ヘルマン・シェーア博士(Dr.Hermann Scheer)
1944年生まれ。1972年、ベルリン自由大学で経済学と社会学の博士号を取得。1980年以降、ドイツ連邦議会議員(社会民主党)。ヨーロッパ太陽エネルギー協会(EUROSOLAR)会長。Solare Weltwirtschaft(邦訳『ソーラー地球経済』、岩波書店、2001年)など著書多数。


―IRENAの設立会合が開かれるが、今の気持ちは?

IRENAの設立は実際、大きな成功だ。私はこのために19年間活動してきた。再生可能エネルギーはエネルギー安全保障をより確実にすること、発展途上国や中進国でのエネルギー供給強化、そして長期的なエネルギー価格の低下やCO2排出削減への鍵となる。しかしその世界的な促進のためには、これまであまり多くがなされてこなかった。IRENAは特に政策への助言、技術移転の支援やプロジェクトへの財政的支援、専門家の養成を通じ、世界で再生可能エネルギーの比率を高めることを支援する。国際原子力機関(IAEA)や国際エネルギー機関(IEA)は原子力や化石燃料によるエネルギーを支援、促進してきたが、これに匹敵する再生可能エネルギーの機関はなかった。IRENAはこの空白を埋めることになるだろう。

―再生可能エネルギー分野で世界をリードするドイツは、
IRENAの今後の活動にどう貢献できるか。

IRENA設立の提案者として、ドイツにはその成功への特別な責任がある。しかしその他の点では、全ての加盟国はその権利と責務において同様だ。ドイツにはもちろん政策手段や促進への計画、技術利用、専門家の養成、大学教育のような領域で、これまでの良い(そして悪い)経験を伝えていく任務がある。ドイツの経験はIRENAの活動に役立つだろう。

―環境保全への技術移転は議論が多い課題だ。
IRENAは技術移転の促進にどう貢献できるか?

商業的な特許を通じた技術移転と、商業的でない技術移転とははっきり区別されなくてはならない。前者は確かに、IRENAを通じて容易にはならないだろう。そのために国際的なルールづくりがなされており、世界貿易機関(WTO)の枠組みにおいてもそうだ。しかし技術移転とは、もっと多くのことを意味する。例えば合弁事業の活発化は、企業を新たな市場に根づかせる。また職人の養成から大学、研究開発機関まで、人的資源のキャパシティーを増大させることも特別な意味を持つ。

―日本はIRENAに加盟していないが。

IRENAへの懐疑的な見方は長い間存在しており、多くの要因がある。1つはさらなる国際機関の設立に対する拒絶で、これは既存の機関への不満から生じている。もう1つの動機は既存の、特にエネルギーに権限があると感じている機関の嫉妬だ。しかしそのような挑戦を知れば、IRENAという機関が緊急に必要だという結論に達する。

従来のエネルギー部門からの抵抗もある。それは再生可能エネルギーを経済的脅威と見なす。再生可能エネルギーの利用は多くの場合、化石燃料や原子力と同じ構造にはならない。1つの例を挙げると、太陽光発電の家は従来のようなエネルギーの供給、供給者を必要とせず、技術の供給者を必要とするだけだ。

IRENAのホームページ

IRENAのホームページ(http://www.irena.org/)

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