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東京都環境確保条例施行、総量削減規制強化スタート

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対策進めた"トップレベル事業所"に優遇措置

東京都庁

2009年3月、東京都は、大規模事業所に義務づけるCO2の削減義務率を発表した。都では、事業所による自主的なCO2削減をかねてより推進してきたが、「2020年までに、東京の温室効果ガス排出量を2000年比で25%削減する」とする削減目標を2007年に新たに制定。これを実現するため、「東京都環境確保条例」においてCO2削減を義務づけることとなった。

一定規模以上のオフィス、事業所に削減義務

対象となるのは、燃料、熱、電気の使用量が原油換算で1500kL以上の事業所。2010~2014年度までの「第一計画期間」では、オフィスビルと地域冷暖房施設は8%のCO2削減が求められる。ただし、全エネルギーの2割以上を地域冷暖房から供給されているオフィスビルの場合は、削減義務率は6%となる。工場の削減義務率も同じく6%。設備の刷新などで自らCO2削減を図る以外に、排出権取引による義務履行も認められている。排出量取引を行ってCO2削減の不足分を補填することも可能だ。

なお、義務履行期限までに削減が達成できなかった場合、「不足量に3割までの加算がされた量の削減が命令されます」(東京都庁環境局都市地球環境部総量削減課長 棚田和也氏)という。それでも履行が見られない際は、最高50万円の罰金や違反事実の公表といった制度が用意されている。

事業者の努力で削減義務提言
省エネへのインセンティブ高める

その一方で、これまでのCO2削減の取り組みも積極的に評価する。削減率の元の値を決める「基準排出量」については、2002年度から2007年度までの間で、連続する3か年度を任意に選択することができる。削減の取り組みより前の期間を選択すれば、「すでにやったことが損になることはない」(同上)。また、都の定める基準を満たす事業所については、「トップレベル事業所」、「準トップレベル事業所」として、削減義務率がそれぞれ2分の1、4分の3となる特例も設けられている。

削減超過量の購入と、高効率の設備機器の導入や建物の使い方に応じたきめ細かな運用対策などを、コスト面を含めて総合比較した場合、多くの企業がトップレベル事業所としての認定に向けて、排出権の購入ではなく設備機器の導入による省エネ対策に動くことが予測される。

現在、今回の規制の対象となる事業所は現在1,316。東京都の調べによれば、対象となる事業所のうち、基準年度に比べて4%以上の削減ができている事業所が全体の45%程度。23.5%の事業所では、削減がない状況だという。対象となる事業所には、6月初旬頃に郵便等で説明会の通知が届く予定だ。また、6月中下旬頃には今後の予定を踏まえた制度説明会が、8月頃には排出量の算定に関する説明会が開催される。

「進化論で『生き残ることのできるのは、変化に適応できたものだけだ』という言葉がある。炭素やエネルギーに制約される社会の下、企業もそうなのではないか」と語った棚田氏。環境経営力強化の一ツールとして、東京都の総量規制を活かす経営が求められている。

東京都の総量削減実施へのスケジュール

東京都の総量削減実施へのスケジュール

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