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オフセット・クレジット(J-VER)全国説明会/環境省

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森林資源の利活用で、年度内15件の事業化目指す
―排出量ビジネスチャンスで地域活性化に期待高まる

昨年11月、環境省が創設した国内のプロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量を認証するオフセット・クレジット(J-VER)制度がいよいよ本格始動する。オフセット・クレジットをめぐる新たなビジネスチャンスへの注目度は高く、その全国説明会には産業界や自治体から多くが集まった。

今年3月、環境省は林野庁と連携し、間伐等の森林管理により森林のCO2吸収量を増加させる取組みをJ-VER制度の対象プロジェクトと位置づけた。5月には、「高知県森林吸収量取引プロジェクト」「諸戸山林・持続可能型森林経営促進プロジェクト」「北海道4町連携による間伐促進型森林づくり事業」「住友林業株式会社社有林管理プロジェクトI (宮崎事業区山瀬地区)」「徳島県那賀郡那賀町における森林吸収源事業」の5件の申請が受理された。

6月、この制度を活用したカーボン・オフセットをさらに推進していくため、環境省は地方公共団体及び事業者等を対象に、J-VER制度説明会を全国10カ所で開催。同説明会で申請やモニタリングに関する個別相談を受けるのが、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(森林管理プロジェクト支援)、三菱総合研究所(木質バイオマスプロジェクトに関する支援)、(社)海外環境協力センター(J-VER制度利用に関する支援)の3者だ。

国内で信頼できるオフセット手法を選びたいとの声

三菱UFJリサーチ&コンサルティング環境エネルギー部 竹田雅浩氏

三菱UFJリサーチ&コンサルティング環境エネルギー部の竹田雅浩氏。同社では森林の間伐の仕方やその結果をどのようなかたちで報告書にしたらいいかなどのアドバイスを行う。環境省や支援機関では今回の全国説明会の相談内容に基づき、今後の推進策を検討していく

個別相談を担当した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの竹田雅浩氏によると、東京、名古屋の説明会での個別相談の6~7割が森林管理プロジェクトに関するもので、すぐにでも申請できるレベルからごく初歩的な質問まで幅があったとのこと。

実際にクレジットを申請するには約80万円の検証費用がかかるが、今年度は検証費用の補助が受けられる。そのため、オフセット事業の収支の見込みがたち、森林保有事業者や自治体の林野庁担当者の関心は高まっている。

「ロンドンの市場で取引される京都クレジットに基づくCERと違って、J-VERではどういう手法でオフセットするのかがより重要。カーボン・オフセットしたい人のなかには、海外の知らないところで実施されているCDM(クリーン開発メカニズム)よりも国内で太陽光やバイオマスなど確かな方法で発電されているグリーン電力を購入したいというケースがあります。また、国内の森林で吸収するというのもわかりやすい方法のひとつです」(竹田氏)

2005年から排出量取引を推進してきた欧州と比べ、日本ではカーボン・オフセットに賛否両論あり、反対派も多い。その理由は、「資本市場を肥大化するだけ」「"真水"での排出削減努力への意欲が殺がれる」などだ。国内排出量取引はこうしたマイナス面をカバーすることが期待される。また、説明会には自治体の地域活性化に結び付けていく方法を模索する森林組合や自治体の林業担当者が多く、「地域の森林をクレジット化することで、森林整備 のコスト(マイナス)をなんとか利益(プラス)に結びつけたいというニーズが感じられた」(竹田氏)とのこと。環境省は今年度の目標として申請相談30件、事業化15件を目指す。今後は地域活性化策の役割にも期待が高まりそうだ。

オフセット・クレジット(J-VER)制度の概要

オフセット・クレジット(J-VER)制度の概要

(出典)環境省 http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html

平成21年4月現在のポジティブリスト

エネルギー分野 新エネルギー対策の推進(グリーン電力証書)
エネルギー分野 化石燃料から木質ペレットへの燃料代替
エネルギー分野 再生可能エネルギー設備導入(太陽光パネル等の設置)

今後追加が検討されているプロジェクト

0001 エネルギー分野 エネルギー分野化石燃料から未利用林地残材へのボイラー燃料代替
0002-1 吸収源 吸収源森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)
0002-2 吸収源 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(持続可能な森林経営促進型プロジェクト)
0003 吸収源 植林活動によるCO2吸収量の増大

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