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2020年の国内スマートコミュニティ市場は11年比3.4倍の3.8兆円に拡大

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国内スマートコミュニティ関連市場は、2011年に1兆1,221億円となったが、2012年は前年比30.9%増の1兆4,683億円、2020には2011年比3.4倍の3兆8,008億円となる見込み。次世代交通・インフラ及びクリーンエネルギー領域が牽引する形で市場拡大する。総合マーケティング会社の富士経済が、2012年7月から9月にかけ、同関連市場を調査したレポートの中で発表した。

本レポートでは、電気や水、交通システム、公共サービスなど、あらゆるインフラを統合的に管理し、最適化を実現した次世代の環境配慮型地域社会を「スマートコミュニティ」と定義している。

2020年の国内のスマートコミュニティ関連市場を領域別にみると、クリーンエネルギーは2011年比3.3倍の8,923億円、電力貯蔵は同年比3.4倍の5,244億円、系統・受配電・インフラ関連は同年比83.8%の434億円、構成要素技術は同年比4.8倍の5,663億円、エネルギーマネジメントは同年比1.2倍の549億円、スマートウォーターは同年比3倍の204億円、次世代交通・インフラは同年比5倍の1兆3,881億円、ITS(Intelligent Transport Systems:高度交通システム)は同年比1.6倍の2,063億円になると予測する。

国内のスマートコミュニティ関連市場

クリーンエネルギー領域

クリーンエネルギー領域では、太陽光発電システムが震災の影響や再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が開始されたことを受けて、家庭用、業務・産業用ともに需要が高まっている。また、燃料電池コージェネは2013年以降、特にSOFC(固体酸化物型燃料電池)の大幅増、バイオマス・廃棄物ガス化はFITも開始されたことで2013年以降の堅調な成長、その他、風力発電や小型水力発電などの市場拡大、波力発電の市場形成も期待される。

電力貯蔵領域

電力貯蔵領域では、リチウムイオン電池が2011年に電気自動車(EV)への本格採用が始まり、2020年向けてハイブリッド車(HV)プラグインハイブリッド車(PHV)への本格採用が期待される。また住宅用蓄電システムを中心に定置用の開発が進み、今後の市場拡大が予想される。構成要素技術領域では、電力スマートメーターが2014年頃から本格的な市場拡大に向かうと想定される。パワーコンディショナメガソーラー発電プロジェクトの開始を受け、非住宅用で大幅な市場拡大が期待される。

エネルギーマネジメント領域

エネルギーマネジメント領域では、HEMSは、今後無線ネットワークによる安価で簡易なシステムが増加することで、既築市場への導入が進むと期待される。BEMSは更新需要の確保、簡易システムについてはエネルギー使用合理化事業者支援の補助金制度により市場拡大が予想される。CEMS(Community Energy Management System)は実証実験段階で、本格化は2020年以降になるとみている。

スマートウォーター、インフラ、ITS領域

スマートウォーター領域では、水道スマートメーターが2020年に水道メーター全体のおよそ四分の一に普及すると予想される。配水コントロールシステムは今後水道スマートメーターとの連携による、需要側の情報を反映した配水コントロールや、電気やガスといったエネルギーと連携したシステムに発展すると期待される。

次世代交通・インフラ領域では、鉄道車両・LRV(Light Rail Vehicle)に加え、EVやPHV、燃料電池自動車の普及により大幅に市場拡大すると予想される。

ITS領域では、プローブ情報システムとITSスポット対応カーナビゲーションシステムが市場を牽引する。

国内のスマートコミュニティ関連市場

世界市場

また、世界のスマートコミュニティ関連市場は、2011年に16兆332億円となった。2012年は18兆5,426億円、2020年の市場は2011年比3.4倍の40兆555億円となる見通し。台湾やシンガポール、その他東南アジアにおいては、今後、スマートグリッド、スマートコミュニティのプロジェクトが本格化する方向にあり、エネルギーや水の安定供給に対する需要は高いと見られる。

また、再生可能エネルギーの導入を打ち出したサウジアラビアも、今後はエネルギーと排水の再利用の取り組みが進むと予想される。これらのエリアに対するインフラ輸出の取り組みは、日本のみならず、欧米、韓国、中国なども注力してくるとみられる。

【参考】コラム - アジア太平洋地域における省エネビル市場の成長(2012/10/31)

日本のスマートシティの現状と将来

本レポートでは、日本のスマートシティの現状と将来についてもまとめている。電気やガスといったエネルギーを地域単位で統合的に管理し、上下水道や交通などの社会インフラ全体が最適に機能することで、スマートシティという未来型都市が形成されるとしている。

日本版スマートシティでは、再生可能エネルギーを中心とした地域の需給バランスに適した包括的なエネルギーマネジメントが実現すると予測され、HEMS、BEMS、FEMS、CEMS、交通分野のエネルギーマネジメント(V2H/V2G、定置用蓄電池の二次利用、FCバスの系統連携、蓄電制御によるEV充電のピーク需要カット、車載器情報からの車の運転アドバイス、需要家行動の変化を促すピークシフト、公共交通のシフトを促すバス乗車ポイントシステム等)が具現化する。

また、新たなビジネスの可能性としては、「新エネ+省エネ+経済的インセンティブ」ESCOサービス、経済的インセンティブを活用したアグリゲータビジネス、系統安定化やエネルギー供給を一括して行うビジネス、デマンドレスポンスビジネス(需給調整契約の仲介サービス)が想定される。

本レポートでは、エネルギー、上下水道、交通といった異なる社会インフラシステム同士を連係させ、効率的運用を図るために、これらの「ビッグデータ」に注目。人の活動やモノから発生するデータを効率的に収集、蓄積、検索、処理、分析を行い、スマートシティの領域ではエネルギーの効率的利用や都市の安全、物流・交通の効率化に役立てる。

ビッグデータ分析に基づくナレッジ(付加価値情報)の蓄積がスマートコミュニティ関連ビジネスでは競争力にプラスとなるとしている。1.電力・水および交通の長期需要予測、2.リアルタイムの需要予測と対策検討・災害予測、3.機器・設備の老朽化予測、稼働停止の可能性予測といった分析がスマートシティには欠かせず、今後はナレッジ蓄積の取り組みが進むと予想する。また、現状、水分野は広すぎてスマートウォーターが確立されていないが、今後はナレッジの蓄積によってスマート上下水道という形で顕在化するとみている。

【参考】コラム - スマートグリッドをクラウドが支えるためには?(2012/11/8)

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