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Car to Carの実現を目指した「鉄スクラップの高度利用化実証事業」が実施

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Car to Carの実現を目指した「鉄スクラップの高度利用化実証事業」が実施

環境省では、平成24年度新規事業として、使用済自動車から回収される鉄スクラップを原料として再び自動車を製造する「Car to Car」の実現を目指した「鉄スクラップの高度利用化実証事業」を実施すると発表した。

本実証事業では、鉄スクラップを原料として自動車用の構造用鋼板(高張力鋼)を電炉で試作し、国内初の実用化を目指してその品質について検証を行う。事業請負者として東京製鐵を公募により選定した。事業実施期間は平成24年度。

現在、わが国で製造されている自動車用の構造用高張力鋼板は、軽薄性、成形性、車体衝突時に耐えられる物性など高品質な性能を求められる部材であり、かつ、鉄スクラップに少なからず含有する銅を一定割合以下に抑えなければならないという技術上の課題があることから、鉄スクラップを主な原料としている電炉では製造されていない。

本事業は、近年電炉における製造・管理技術が向上していること、廃車等を含むいわゆる老廃鉄スクラップには鉄の張力特性等を高める銅やニッケル・クロム等の有用金属が含有されており、これらの含有元素を有効活用できることを踏まえ、現在一般的に製造されている高張力鋼と同等以上の品質を目指して、電炉において高張力鋼を試作製造し、必要な品質を満たしているかどうか検証するもの。

鉄スクラップを原料とした自動車構造用鋼板の試作・品質検証の実施(平成24年度事業)

鉄スクラップを原料とした自動車構造用鋼板の試作・品質検証の実施(平成24年度事業)

試作した鋼板が、必要な品質を満たしているかどうかについて、耐食性評価や溶接性評価等を行い確認。検証の結果から、鉄スクラップ由来の鋼板が自動車原料として利用されるために必要な品質を満たすために必要な事項等を公表する。

自動車の構造用鋼板など、より幅広い製品の原料として鉄スクラップを用いることができるようになれば、1.貴重な国内資源である鉄スクラップの利用用途の拡大、2.鉄スクラップに含まれるレアメタル等の有効活用、3.資源輸送時に要するCO2の削減(鉄鉱石は海外から遠距離輸送)、4.「Car to Car」など水平リサイクルの実現などにつながることが期待される。

日本鉄鋼連盟の調べによると、わが国で年間に製造される鉄鋼製品の原料約1億3,000万トンのうち、約5,000万トンが鉄スクラップ由来の原料となっている。

しかし、現在、鉄スクラップを原料とした鉄鋼製品は、様々な合金元素を添加した特殊鋼や、それ程高水準の品質が求められない建設用建材などに限られており、自動車や家電製品の鋼板については天然資源である鉄鉱石を主な原料として製造されている。近年、国内における建設需要の減少等により、鉄スクラップの輸出が増加している。

鉄を製造する方法としては、天然資源である鉄鉱石を主な原料として高炉で製造する方法と、リサイクル資源である鉄スクラップを主な原料として電炉で製造する二つの方法がある。電炉で製造する場合には、高炉で製造する場合と比べると、鉄鉱石に含まれる酸素分を除去する必要がないため、CO2の排出量は大幅に低くなり、高炉で製造する場合の25%程度となるとの試算もある。

【参考】
環境省 - Car to Carの実現を目指した「鉄スクラップの高度利用化実証事業」の実施について

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