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タピオカを作った残りカスからバイオエタノール、NEDOがタイで実証開始

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タピオカを作った残りカスからバイオエタノール、NEDOがタイで実証開始

NEDOは、タイにおいてキャッサバイモからデンプンを抽出した後の残渣(タピオカ残渣)からバイオエタノールを製造する技術の実証事業に着手する。

本事業では、同国最大のキャッサバデンプン製造工場において、日本で技術開発された高温発酵酵母を用い、年産80klのバイオエタノール製造能力を有するパイロットプラントを立ち上げ、製造技術の有効性を実証する。事業の着手にあたり、NEDOと同国科学技術省国家イノベーション庁(NIA)は、基本協定書(MOU)を締結した。

事業期間は2012年度~2015年度(予定)。予算規模は約7億円で、うちNEDOの負担は約5億円。事業の委託先はサッポロビールと磐田化学工業。

今回適用する高温発酵酵母を用いた技術は、キャッサバパルプ(タピオカ残渣)の高濃度かつ高粘性のデンプン残渣であるモロミから効率よくバイオエタノール製造を行うことを可能にした。本技術の有効活用によって、食糧と競合しない未利用資源の有効利用を検証し、同国におけるバイオ燃料増産に貢献することを目指す。

本実証の成果を用いて、同国において排出されるキャッサバパルプの総量である年間190万トン(2010年実績、風乾物)をバイオエタノールに変換した場合、年間約62万kl(1,700kl/日)の製造が可能となる。

同国では、2022年のエネルギー使用量に占める代替燃料割合の目標を20.3%としており、このうちバイオエタノール製造目標として9,000kl/日を掲げているおり、本技術が同国代替エネルギー目標の達成に資するものと考えている。(2011年時の製造能力:1,300kl/日、DEDE:Department of Alternative Energy Development and Efficiency, Ministry of Energy)

本事業終了後は、キャッサバパルプを排出する事業者に対して、キャッサバパルプを原料とするバイオエタノール製造工場の建設・稼動を指導して一号機を立ち上げる。

併せて、タイの本事業共同実施者と協力して、本高温発酵酵母によるエタノール製造技術の教育セミナーやPR活動によるフォローアップを行なう予定。これにより、キャッサバ主産地であるタイ東北部・東部地域をはじめとして、タイへの本技術の普及を図り、キャッサバデンプンの交易でタイと関係の深いカンボジア、ラオス、ベトナムなどのASEAN諸国への展開を図る。

タイでは近年の急速な経済発展により、エネルギー供給不足への対策が喫緊の課題になっており、タイ政府はエネルギーの安定供給のためにバイオエタノールの増産を目指す意向を示している。

こうした背景の下、NEDOは世界最大のキャッサバデンプン(タピオカ)輸出国であるタイにおいて、キャッサバイモからデンプンを抽出した後の残渣であるキャッサバパルプが未利用のまま大量廃棄されていることに着目した。キャッサバパルプは非食糧の農業残渣で、トウモロコシなどの可食原料を原料とする第1世代バイオ燃料のように食糧用途と燃料用途の競合がない。

一方、草本や木質類をバイオエタノールの原料とする第2世代バイオ燃料と比較すると早期に実用化することが可能であるため、1.5世代バイオ燃料と呼ばれている。

【参考】
NEDO - 固定価格買取制度の舵取りを考える(2012/10/10)

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