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宮崎大の太陽光集光装置、2013年度から水素製造実験開始

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宮崎大の太陽光集光装置、2013年度から水素製造実験開始

宮崎大学は、来年度、新潟大学と連携して、太陽光を鏡で反射させて集光する「ビームダウン式太陽集光装置」を用いた水素製造に関する大型実証試験を開始する。

この装置は、昨年8月に、同大学、宮崎県、新潟大学、三鷹光器の4者による産学官連携プロジェクトとして設置されたもの。ビームダウン式としては国内最大級、世界最高レベルの集光度を誇る。

高密度に集光された太陽光を熱に転換することで得られる高温を用いた、水素製造に関する新潟大学との共同研究や、太陽電池の原料となる金属シリコンを製造する研究などが計画されている。

三鷹光器が開発した「ビームダウン式太陽集光装置」の概要

三鷹光器が開発した「ビームダウン式太陽集光装置」の概要

本装置は直径4.3mの楕円鏡を上部に取り付けた高さ16mのタワーと、地上に設置された88基のヘリオスタット(反射鏡)より構成されている。

ヘリオスタット1基は直径50cmの凹面鏡10枚より成り、太陽をセンサ方式で精密に追尾しタワー上部の楕円鏡の第一焦点に集光させ、楕円鏡で反射した太陽光を、楕円鏡の第二焦点に集光するよう制御されている。

第二焦点には、太陽光濃縮器と呼ばれる反射鏡を置き、さらに太陽光集光を濃縮し、太陽光の光を1000倍に高め、その下部に置かれた反応器に入射する。そのため反応器内ではセ氏1,500度以上の高温太陽熱が得られる。

新潟大学開発の太陽集熱による水熱分解水素製造装置

新潟大学開発の太陽集熱による水熱分解水素製造装置

同大学は、本装置を用いた水素製造について、新潟大学と共同研究契約を締結しており、今後、新潟大学が開発した水素生成装置を取りよせ、2013年度に実験を開始する。また、宮崎大学工学部では県内に広く分布するシラス台地より、太陽電池に必要なシリカの原料であるシリコンを製造する研究も計画している。

一方、三鷹光器では、今後、本装置を利用した蓄熱発電や海水淡水化の研究開発を計画している。宮崎県は総合計画(未来みやざき創造プラン)に掲げる「環境・新エネルギープロジェクトの拠点づくり」を進めるため、ビームダウン式集光装置を利用した新エネルギーに関する最先端の研究開発に取り組むこととし、本事業に参画する。宮崎は日照時間が日本でもトップクラスで、日照条件を活かした次世代エネルギーの開発が期待されている。

同大学の菅沼龍夫学長は、1月4日の年頭挨拶で、本装置を用いた取り組みについて「太陽炉が設置されると、来年度には、いよいよ実証研究が始まる。折しも、福島第一原子力発電所の過酷事故により、再生可能エネルギーに対する期待が高まっていることもあり、昨日の宮崎日日新聞でも特集として取り上げられている。宮崎大学が太陽光・太陽熱エネルギーシステムの開発・教育拠点として世界に発信できるよう期待している」と語った。

【参考】
宮崎大、国内最大級のビームダウン式太陽集光装置で水素製造など(2012/8/7)
宮崎大学 - 2013年年頭の挨拶(平成25年1月4日)
新潟大学 - 「水熱分解水素製造装置」を利用した実証試験が行われます

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