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住友電工、大阪で高温超電導ケーブル配電システムの長期実証運転

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住友電工、大阪で高温超電導ケーブル配電システムの長期実証運転

住友電工は、大阪製作所内にある超電導線材製造工場への3.3kV配電系統に、高温超電導ケーブル等から構成される高温超電導配電システムを設置し、1月より長期実証運転を開始したと発表した。

本実証運転は、データセンター等の屋内配電線など直流を含む低電圧・大電流配電システムへの高温超電導ケーブル配電システムの適用を視野にいれて実施するもの。スペースが限られた環境下でも、フレキシブルに導入できるよう、高温超電導ケーブルをはじめとする機器の小型化を図るとともに、高温超電導ケーブルを分岐する超電導分岐箱を新たに開発した。

今回の実証運転では、これら機器およびシステム全体の信頼性を実証するとともに、線路途中に設けた18mの垂直立上げ部に関して、布設工法、高落差条件下での冷却の安定性の実証などを行う。

高温超電導ケーブルは低損失な送配電を実現する技術として期待されている。今後、長期運転(無期限)を通して得られた運転データを分析して、最適な保守のあり方を検討するとともに、同社グループ会社であり、ケーブルの水冷・風冷システムで豊富な経験をもつ住友電設と協力して非常時にも迅速に対応できる保守体制の整備、確立を進める。こうした取り組みにより、高温超電導ケーブルを長期間にわたって安心して使用できる製品・サービスへとつなげていく計画だ。

具体的には、本システムは、2本の高温超電導ケーブル(各35m)、超電導分岐箱、既設の電力ケーブルと接続するための終端接続部、これらを冷却する液体窒素循環型冷却システム、監視システムから構成されている。

住友電工の三心一括型超電導ケーブル - 環境ビジネスオンライン

三心一括型超電導ケーブル

高温超電導ケーブル(交流3.3kV、線路定格電流210A、1.2MVA)のケーブル構造は、コンパクトな3心一括型(ケーブル外径:約100mm)とし、同社製ビスマス系高温超電導線「DI-BSCCO Type ACT-CA」を約6km使用。高温超電導線は直流での使用については送電損失がゼロになるが、交流ではわずかに損失が発生する。「Type ACT-CA」は、線をスリム・コンパクト化(幅:2.8mm、厚さ:0.31mm)することで交流損失の低減を図った交流機器用途の高温超電導線となっている。

終端接続部は、超電導ケーブルへの入口と出口で、通常の電力(常電導)系統との接続を行う。常温と約-200℃の間で電流を受け渡すために、熱侵入を抑えつつ、電気抵抗を小さくする構造をとっている。今までの超電導ケーブルプロジェクトでは、2点間の送電だったが、データセンター等では、送電途中で電力を取り出したり、分岐したりする必要がある。それを実現するのが分岐箱で、-200℃の状態で電力を送り続ける一方、複数の方向にケーブルを分岐したりする。今回は分岐はしていないが、給電方向の転換に用いている。

冷却システムは、出力2kWの冷凍機で過冷却した(約-200℃)液体窒素を終端接続部から導入し、ケーブル内を循環させることで、システム全体を超電導状態に維持する。複数台の冷凍機を用い、順番に停止、メンテナンスを行うことによって長期運転を実現する。制御監視システムは、本システムの運転状態を常時監視するとともに、運転データの収集、蓄積を行うもの。本システムに異常が発生した場合には、直ちに別の電力系統への切り替えができる。

【資料】
神奈川県の変電所で国内初の高温超電導ケーブル試験 液体窒素で冷却(2012/10/30)
住友電工、ドイツとロシアの超電導ケーブルプロジェクトに高温超電導線提供(2012/10/24)

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