> > スマートハウス国内市場は2020年に11年比2.5倍に、HEMS市場は20倍と予測

スマートハウス国内市場は2020年に11年比2.5倍に、HEMS市場は20倍と予測

記事を保存
スマートハウス国内市場は2020年に11年比2.5倍に、HEMS市場は20倍と予測

総合マーケティング会社の富士経済は、2012年10月から2013年1月にかけて「スマートハウス」の国内市場、世界市場を調査した結果を発表した。

2012年の国内スマートハウス関連市場は、大手ハウスメーカーにおける提案が本格化したことで、1万1,500戸が販売され、2011年比25.3%増の1兆8,409億円となる見込み。2020年の同市場は2011年比2.5倍の3兆6,362億円になり、新築住宅需要の約17%に当たる7万戸がスマートハウスとなると予測する。

2020年の国内同市場を、「創エネ領域」「蓄エネ領域」「省エネ領域」「通信・計測他」の4つの領域別にみると、EV/PHVを含む蓄エネ領域が2011年比6.9倍の1兆1,212億円、またスマートメーター系が牽引する通信・計測他も同4.8倍と大幅な成長が予測される。

一方、省エネ領域の伸長は同21.9%増と伸びが鈍化するとみられる。品目別では、創エネ領域に含まれる家庭用燃料電池システム、蓄エネ領域に含まれる家庭用定置型リチウムイオン電池、通信・計測他のデマンドレスポンス(DR)アグリゲーションサービス、「見える化」サービスなどが大幅に伸長すると予測される。

注目市場として、「HEMS(Home Energy Managemnt System)」「DRアグリゲーションサービス」「ホームICT型生活支援サービス(ヘルスケアサービス)」をあげた。本調査では電力、水、ガス等の情報を収集・管理するHEMS全体を対象とした。

HEMS

HEMSの国内市場は、2012年が2011年比5倍の30億円、2010年は同約20倍の119億円となる見通し。海外市場は、2012年が2011年比102%の252億円、米国や欧州でも政策的な後押しが見られることから、2020年は同1.2倍となる見通し。

国内においては、経済産業省のHEMS導入事業の開始もあり2012年より市場が本格的に立ち上がった。2013年からは経済産業省でMEMS導入事業(仮)の開始を検討しており、再生可能エネルギーや蓄電池の他に各住戸や共用部の見える化、一括受電による新電力からの供給、DRの採用などがさらに増加すると考えられる。

海外においては地域によりHEMSに求められている機能が異なる。例えば米国では、ピーク需要削減によるDRの試行や省エネルギーの推進、一般家庭の電力消費シェアの低減を目的に、スマートメーターと連動したDR型HEMSやオートメーション型HEMSが多くなっている。

また、欧州では省エネルギーの推進と老朽化した配電系統設備の投資抑制、太陽光発電などの再生エネルギーの大量導入に際した電力系統安定化を目的としてHEMS導入が実証検討されている。

DRアグリゲーションサービス

DR(Demand Response)とは、電力供給側がピーク時における電気料金の割高設定、適切な電力使用量抑制に対するインセンティブの支払いなどによって、需要家側に電力消費の抑制を促し、電力需給の協調を図る方式である。電力会社にとっては、DRによりピーク需要の削減が可能となり、巨額の設備投資を抑制できるメリットがある。本調査では、電力供給側と需要家側を仲介するDRアグリゲーションサービスを対象としている。

2012年時点では、ピーク需要に対する電力会社の投資余力が小さい米国でDRの積極的な採用が見られ、世界市場全体の8割以上を占めている。今後は英国をはじめとした欧州での拡大が期待される。2020年の海外市場は2011年比5.2倍の4,486億円市場に成長すると予測する。

国内では経済産業省主導のスマートコミュニティプロジェクトを中心に実証が進む中、2012年下半期よりNTTファシリティーズオリックスによりサービスが開始された。収益率が低いため100戸以上のマンションや社員寮等の法人向けサービスが主軸である。2012年の国内市場は11億円が見込まれ、2020年には300億円への拡大が予測される。

ホームICT型生活支援サービス

ホームICT型生活支援サービス(ヘルスケアサービス)は、スマートハウスが単一の住宅という位置づけだけでなく、地域EMSと連携していく中で、スマートハウスによって生活の豊かさが提供されるサービスとして注目される。

2012年の市場は2011年比50%増の66億円が見込まれる。今後はHEMS、HGW(Home Gateway)等でヘルスケアサービスを担う製品の投入が増加されることも利用者拡大の追い風となり、2020年の市場は2011年比2.6倍の114億円が予測される。

-----

富士経済による2011年の調査では市場の立ち上がりを受けて「スマートハウス元年」と位置付けたが、2012年は大手ハウスメーカーを中心に、太陽光発電システム、HEMS、定置型リチウムイオン電池などを搭載したスマートハウスが相次いで投入され、市場が本格化した。

それとともに、従来の「スマート=ICT」の概念が、「スマート=節電・新エネ」へと広がり、現在、住宅業界では自然エネルギーの活用を重視する建築手法「パッシブデザイン」に基づくスマートな家をトレンドに、個人の住空間の快適性や生活の豊かさを訴求する動きが顕著と分析する。

2013年の国内同市場は国による補助・優遇制度の後押しに加え、消費税増税前の駆け込み需要により新築住宅は90万戸を超える見通しであるほか、2014年以降はハウスメーカー主導によるエコタウンプロジェクトが本格始動するなど、新築住宅におけるスマートハウス化は拡大すると予測される。

-----

更に2013年は「スマートリフォーム元年」として、既築住宅分野でのスマート商材の積極提案が始まる見通し。国内市場は2016年頃まで年率10%増で推移すると予測する。

中長期的なスマートハウスの普及には、構成機器のコスト低減ならびに蓄電やHEMSそのものの意義づけや、制御を行うことに対する需要家側メリットの具現化が必要となる。

また、2015年前後に電力小売りの全面自由化が実現すれば、新電力(PPS)の参入を契機に料金メニューの多様化が加速し、電力料金を地域の電力需給状況に応じて変更するダイナミックプライシングなどのDRがスマートハウスのメリットや社会的意義を更に高めるとみている。これらの市場環境を踏まえ、スマートメーター及びスマート家電などが普及することで、スマートハウス関連機器の最適制御に連結すると予想する。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.