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産総研、化学品製造時の触媒に有害物質ではなくCO2を使う高効率な技術を開発

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産総研、化学品製造時の触媒に有害物質ではなくCO2を使う高効率な技術を開発

産業技術総合研究所の環境化学技術研究部門分子触媒グループは、二酸化炭素(CO2)とアミン化合物を原料として、医農薬の中間体として有用な「2-オキサゾリジノン誘導体」を常温常圧のまま水中で合成できる技術を開発した。

同技術は、触媒となる金の錯体を、デンドリマーと呼ばれる樹木状の構造をもつ分子で包み込み保護することで、触媒の親水性化と長寿命化を同時に実現。

この触媒を水中で使うと、反応容器がCO2で満たされた状態で、加圧や加熱をせずにアミン化合物から抗生物質やフラルタドンなどの医薬品の中間体である「2-オキサゾリジノン誘導体」が高い収率(86%)で合成できた。市販の金錯体(収率2%)に比べて、今回開発した触媒は40倍以上の性能を示した。

デンドリマー型金錯体触媒を用いた水中での 2-オキサゾリジノン誘導体合成

デンドリマー型金錯体触媒を用いた水中での 2-オキサゾリジノン誘導体合成

同技術は、有機溶媒を使わない医農薬中間体の新しい製造法につながるとともに、化学品製造時の環境負荷低減に貢献すると期待されている。

今後は、数年後の実用化を目指し、デンドリマーの構造を改良することによって、触媒の高機能化や使用する金錯体の少量化に取り組み「2-オキサゾリジノン誘導体」製造の高速化を図る。

また、想定される製造プロセスについて、シミュレーションによるコスト評価を行うとともに、スケールアップの検討も進める予定。

「2-オキサゾリジノン誘導体」の従来の製造法では、猛毒のホスゲンや一酸化炭素などを使うため、安全な製造法の開発が求められていた。

最近では、CO2を用いた 「2-オキサゾリジノン誘導体」の製造法がいくつか開発されているが、CO2は熱力学的に安定した化合物であるため活性化させるのが難しく、その化学変換には、通常、高温や高圧条件が必須。

最近報告された「2-オキサゾリジノン誘導体」の製造法も、高圧のCO2や超臨界CO2を使用するものであり、加圧や耐圧設備など投入エネルギー面での課題が残されていた。

【参考】
産総研 - 二酸化炭素から医農薬中間体を効率的に合成

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