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大林組、塩害農地で土壌改良と除塩を促進する新技術を開発

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大林組、塩害農地で土壌改良と除塩を促進する新技術を開発

大林組は、東日本大震災の津波で被災した塩害農地において、被災木材のチップ材などを活用して土壌改良と雨水による除塩を促進する「木材チップ塩成土壌改良工法」を開発した。

同工法は、用地の供給が不要で用水施設に復旧を待たずに工事できる点、塩害主成分であるナトリウムを大幅に削減できる点などが特長。2012年4月~9月に宮城県岩沼市で実証試験を行い、東北大学と共同でその効果を確認した。

「木材チップ塩成土壌改良工法」の具体的な特長は、以下の通り。

【1】用水の供給が不要

主に木材チップと土壌改良材の混合による透水性向上と、雨水による洗浄という除塩工程で用水の供給が不要となるため、用水施設の復旧を待たずに工事を開始できる。また、稲の栽培期間中も工事が可能で、水田だけでなく畑の除塩にも適している。さらに、用地に水をためないため、塩分を含む排水が大量に発生しない。

【2】塩害主成分のナトリウムを大幅に削減

実証試験で木材チップにカルシウムを含む土壌改良材を混ぜた結果、イオン交換の働きで塩害の主成分であるナトリウム飽和度(ESP)が2~3%を示し、試験の着手前のものに比べて最大10分の1になった。この値は塩害が発生する指標のESP15%より大幅に低く、ナトリウムによる塩害は発生しないレベル。

大林組の木材チップ塩性土壌改良工法の概念図

木材チップ塩性土壌改良工法の概念図

【3】特殊な工事設備が不要

トラクターなどの一般的な農業機械を利用するため、大規模な土木工事の機械が不要。また、農家の方自身も除塩作業に参加可能。

【4】被災木材や間伐材を有効活用

使用する木材チップは、被災木材や間伐材を有効活用する。また、木材チップの腐熟化により、土壌の肥沃性を高める。

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被災農地における通常作業では、除塩用水を用地へ大量に引き込み土の塩類を洗い流すため、水田の除塩には適しているが、排水不良の畑の除塩が難しく、加えて水の引き込みを必要とする稲の生育期間や地盤が沈下して、排水が不十分な状態の地域では除塩が困難だった。

大林組では、20年前からアラブの湾岸地域の塩分を含む油汚染土の浄化や緑化を行うため、塩害対策技術の開発と適用実績を積み重ねてきた。また、国内の工事現場でも、海面埋め立て地の塩分濃度が高い掘削土を雨水で除塩して、緑地造成を行った実績がある。

大林組の土壌除塩工法 概念図「木材チップ利用の場合」

工法概念図「木材チップ利用の場合」

津波による塩害地は、塩分濃度が高く泥状化する土で、これまで大林組が培った国内外の塩害地を緑化する対策技術が役立った。

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