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中国水ビジネス市場は3年後に45.6%増と予測、規制強化で拡大

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総合マーケティング会社の富士経済は、中国の水ビジネス市場を調査した結果を発表した。中国のGDP成長率は鈍化しつつあり、景気にもやや停滞感が見られるが、水ビジネス市場は、2012年の265.8億元から、2015年には2012年比45.6%増の386.9億円になると見通し。排水・汚泥処理の法規制強化と水不足の深刻化で、官需、民需ともに今後も活性化すると予測する。

成長著しい中国では、都市化や工業化の進展、産業活動の規模拡大とともに、生活用水・排水や、産業用水・排水の量が年々増加し、処理や浄化するための水処理設備、処理に付随して発生する汚泥の処理設備等、水処理に関わる技術や製品の需要が急速に拡大している。また、華北、東北地域を中心に深刻化する水不足に伴い、安定的な水資源の確保を目的に、下水や産業排水の再利用化や海水淡水化システムの導入が積極的に進められている。

本調査は、経済計画の大きな指針となる「第十二次五カ年計画」により変革を遂げる、中国の水ビジネスにおける注目市場として、海水淡水化システム(RO膜/蒸発法)、水処理膜、脱水機をあげた。

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海水淡水化システム(RO膜/蒸発法)

2015年の市場は2012年比6.6倍の35.7億元に拡大する見通し。2012年末時点での累計の大規模海水淡水化処理施設数は60カ所で、1日における総処理量は約78万立方メートルに達する。政府は2015年までに総処理量を現在の4倍に拡大させる計画で、すでに1日の処理能力が5万立方メートルを上回る施設の建設計画も複数ある他、地方レベルでの施設建設も進むと予想される。

海水淡水化のコア技術であるRO膜、海水蒸発装置、コンデンサチューブといった部材や装置は依然として外資系企業の製品が中心である。しかし、政府関連プロジェクトでは、国産設備を優先的に採用するよう求められているため、国の政策支援によるコア技術の開発も進みつつある。

水処理膜

2012年の市場は41.3億元となり、2015年には2012年比68.3%増の69.5億元になると予測される。MF/UF膜は浄水、下水処理、海水淡水化など用途は多岐にわたり、特に下水や産業排水処理向けの需要が多い。また、飲料水に対する消費者の品質要求の高まりに伴い、浄水向けでは家庭用も含め小規模サイズの膜製品の需要が高まっている。中国企業が価格を武器にシェアを大きく拡大させる一方、外資系企業は、現地生産化を進める等、中国企業に対抗する動きが見られる。

RO膜

主に産業用水処理や海水・かん水淡水化、NF膜は浄水、産業用水処理向けに採用が進んでいる。「第十二次五カ年計画」に合わせて下水の再利用化や海水淡水化での採用が進んでいる。膜の価格は、原料価格の高騰から世界的には値上げの動きがみられるが、中国では価格競争の激化により低価格化が進んでいる。

MBR(膜分離活性汚泥法)

MBRは活性汚泥処理と膜処理を組み合わせた水処理システムであり、近年は設置スペースのコンパクト化、汚泥の減容化、処理水の品質が優れていることなどを理由に需要が拡大している。1級・2級都市の工場では、排水の再利用が義務化されるなど、排水規制が年々厳しくなっており、下水や産業排水の処理に膜処理設備を導入するケースが増えている。

脱水機市場

脱水機市場も拡大している。水処理需要の拡大により水処理・排水処理工程で発生する汚泥も増加している。埋め立て処分のための規制(汚泥の含水率を60%以下にしなければならない)や、埋め立て処分場の逼迫による汚泥処分費用の高騰等が市場拡大の要因となっている。

今後も汚泥減容化、減量化を目的に脱水機を導入する事業者の増加が予想され、汚泥処理向け需要は拡大が予測される。また、脱水機もより脱水性能の高い製品が求められるとともに、脱水後に更なる減容化や汚泥の再資源化を図る目的としての汚泥乾燥機や焼却炉のニーズ拡大も期待される。

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中国水ビジネス市場をエリア別に動向をみると、最大市場は長江や太湖など広大な水源がある華東地域である。沿岸地域を中心に経済発展が進み工業団地や工場が多いため、産業用排水処理需要が大きく、市場の4割弱を占める。次いで華北地域で2割強を占める。北京、天津といった大都市での需要が中心となっている。黄河流域や北部の乾燥地域では水不足が深刻化し、下水や産業排水の再利用が進んでいることから、再利用化に欠かせないUF膜、MBR、MBR+RO膜の需要が拡大している。

また、華南地域は、比較的水資源に恵まれているが、エレクトロニクス産業や自動車産業が集積しているため、生産プロセスやボイラー用途で使用する純水、超純水等の用水処理需要が高い。東北、華中、西南・西北は市場規模は小さい。東北では水不足から海水淡水化や排水再利用の需要があり、西南・西北では工場の誘致が活発に行われており、大型案件が増加しつつある。

本調査では、特に拡大が期待される膜などの水処理素材・部材7品目、水や汚泥の処理を行う装置やシステム9品目の市場と、参入企業30社の動向について調査を実施した。調査機関は、2012年11月~2013年2月。

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