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ファーストソーラー、太陽電池ベンチャーを買収 大型システム以外の市場へ

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大手太陽電池メーカーのファーストソーラー(米国アリゾナ州)は、太陽光発電技術のベンチャー企業であるテトラサン(米国カリフォルニア州)を買収すると発表した。

高効率、低コストを実現するテトラサンの太陽電池技術により、CdTe(カドミウムテルル)型薄膜を補完し、大型発電設備以外の新しい市場の開拓を目指す。暫定的に2014年後半から新技術を用いた製品の商業生産を開始する計画だ。

テトラサンは、結晶シリコン系高効率太陽電池セルを安価なコストで製造する独自技術により、変換効率21パーセント超を実現する画期的な太陽電池を開発した米国ベンチャー企業。JX日鉱日石エネルギーは、この技術の可能性を最初に見出した企業のひとつで、2009年にテトラサンへ出資し、筆頭株主としてその研究開発活動を支援してきた。

今回、ファーストソーラーは、JX日鉱日石エネルギーやテトラサンの経営陣を含む出資者からテトラサンを買収することで正式契約を締結した。契約に関する詳細は非公開だが、2013年の第2四半期までに買収は完了する見込み。また、ファーストソーラーとJX日鉱日石エネルギーは同技術の日本市場での販売に関する契約についても協議を開始している。

ファーストソーラーは、電力会社等の太陽光発電システムに、光の吸収層にカドミウム(Cd)とテルル(Te)の化合物を用いた、低コストなCdTe型薄膜太陽電池を提供しシェアを伸ばしてきた。しかし、高効率という面では他社に比べて落ちるため、大規模設備向けが主体となっていた。

ファーストソーラーのジム・ヒューズCEOは下記のように述べている。

 テトラサンの画期的な技術によって、太陽電池市場の半分を占める高効率支持層が開放されることになる。

 これまでファーストソーラーはこの層のニーズに応えることができなかったが、分散発電の利用と我々の先端技術であり電力会社向け太陽光システムの標準となっているCdTe型電池の組み合わせにより、あらゆる商用利用に対応できる独自のエンドツーエンド ソリューションを提供し、顧客のニーズに応えていく。


ファーストソーラーは、テトラサンの中核技術は製造販売の独占権を有する電池構造で、高効率が必ず高コストと結びつくという従来の常識を打ち破るもの、と説明する。他の高効率結晶シリコン太陽電池と比べ、テトラサンの太陽電池はシンプルな設計で大量生産を可能にしている。

また、結晶シリコン太陽電池はP型シリコン基板を利用するものが多いが、N型シリコン基板(156mm)を使用し、高価な銀や透明導電膜(TCO)を使用しないことで、コストパフォーマンスもさらに高めている。さらに、この技術は典型的なシリコン太陽電池モジュールと比べて温度係数(温度の上昇に伴う出力の減少を示した指標)が低いため、高温な気候においても優れたエネルギー生産能力を発揮する。

14名のテトラサン社員は全員ファーストソーラーに移籍し、これまでと同様にカリフォルニア州サンノゼを拠点とする。技術チームのメンバーはサンパワーやフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所でシリコン太陽電池の世界最高効率を達成した実績があり、ファーストソーラーのシリコン太陽電池の研究開発はさらに強化される。

【参考】
JX日鉱日石、米ファーストソーラー社製太陽電池の独占販売権で協議(2013/4/11)

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