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農水省、作物への放射性物質の影響を低減させる研究結果を発表

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農林水産省は、農林水産技術会議において、土壌から農作物など(米、大豆、そば、牧草)への、放射性物質が移行する要因を把握し対策をたてるため、研究成果を取りまとめた。基準値を超える量の放射性物質が検出された農作物の生産上の課題に取り組んでいる。

この研究は、「農地環境に応じた農作物への放射性物質移行低減対策確立のための緊急調査研究」という名目で、農作物への放射性物質が移行する要因の解明と、基準値超過要因の地理的分布の把握を主目的として行われた。

研究の各概要とその結果は下記の通りとなっている。

1.作物の放射性セシウム吸収に及ぼす土壌要因の解明

放射性セシウム濃度の基準値超過が発生した農地などから、土壌や収穫物(果実・種子、牧草など)を採取し、作物の放射性セシウム濃度と土壌分析結果との関係を調査し、下記項目のような結果となった。

  1. 水稲、大豆・そばにおいて、土壌の交換性カリウムの含量を高めるために、カリウム含有の肥料をやることで、放射性セシウムの吸収抑制できる。
  2. 草地更新後の牧草中の放射性セシウム濃度は、土壌の交換性カリウム含量が低い黒ボク土草地で高まりやすいことがわかった。
  3. 土壌の交換性放射性セシウム濃度(土壌の腐植や粘土粒子表面の負荷電に吸着されている放射性セシウムで、作物に吸収されやすいと考えられている)と、収穫物(玄米、大豆、そば、牧草)の放射性セシウム濃度とは相互関係があることがわかった。
  4. 牧草の放射性セシウム濃度に影響する要因と推定された土壌の放射性セシウム固定力を表す指標(RIP)の地理的分布や、粘土鉱物組成等RIPを決定している要因が明らかとなった。

2.籾(もみ)すり機内での玄米汚染防止対策技術の開発

籾(もみ)から籾殻を取り除き玄米に仕上げる工程で、玄米の汚染事例(籾すり機内に残留していた異物の混入が原因と推定される)が発生した事例を踏まえ、機内の洗浄方法を検討した。

それにより、「とも洗い(汚染されていない籾を機内に投入後、一定時間循環運転し、汚染の原因となる異物を玄米とともに排出する方法)」により、機内での玄米の汚染を防止できることがわかった。

3.農業用水用放射性セシウム分別分析法の開発

水の中の放射性セシウムの存在形態によって水稲の吸収に及ぼす影響が異なることが示唆されていることから、水に溶けている放射性セシウムや、浮遊する土壌粒子や有機物等に吸着・固定している放射性セシウムを分別して分析できる方法や、セシウムを除去するロボットなどを開発し取り組んだ。

本研究は、独立行政法人の研究機関らや、東京大学、福島県、宮城県、岩手県、栃木県、茨城県の農業・畜産試験場が協力・実施したもの。

【参考】
環境省 - ほ場環境に応じた農作物への放射性物質移行低減対策確立のための緊急調査研究の成果について

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