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超高圧水噴射による少水量・高効率の除染システム コストも1/4

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超高圧水噴射による少水量・高効率の除染システム コストも1/4

清水建設は、超高圧水の噴射により少水量で高効率の除染を行う除染システム「S-Jetモバイル」を、高圧水噴射機器メーカーのスギノマシン(富山県魚津市)の協力を得て、開発・実用化したと発表した。このシステムは、一般民家の土間や駐車場、歩道、小路などの狭い場所で行う除染で威力を発揮する。

これまで高圧水による洗浄や超高圧水による切削などの除染技術が複数報告されているが、いずれも一層の効率化と除染廃液、除染に伴って発生する放射性廃棄物の削減が課題になっている。S-Jetモバイルは、この課題を解決するために開発された。

汚染されたアスファルト道路の表面濃度の目標低減率を80%とした場合、S-Jetモバイルの性能を既存の超高圧水の除染システムと比較すると、使用水量は2.6L/min、表層の切削厚さは1mm程度といずれもほぼ1/3以下で済むという。

また、システムの小型化により、作業員数がシステムあたり8人減の5人となること、使用するトラック台数が2台減の1台になること、さらに水処理費用が減ることから、除染コストは作業量が300~400平方メートル/日の場合で1/4以下の970円/平方メートルとなると試算している。

環境省は、平成23年度から除染作業に活用できる技術の実証試験を行い、除染効果、経済性、安全性などの評価を行っている。S-Jetモバイルは平成24年度の除染技術実証事業に採択され、福島県伊達市で実証試験を実施し、少水量で高効率の除染が可能という評価を得ている。

S-Jetモバイルを使った大熊町での実証試験状況(アスファルト路面)

大熊町での実証試験状況(アスファルト路面)

S-Jetモバイルは、手押し式の掃除機大のフロアクリーナー、フロアクリーナーに装着され除染廃液を回収するバキュームユニット、フロアクリーナーに超高圧水を供給する180MPaの超高圧ウォータジェットシステム、発電機等から構成される。構成機器を小型化したことにより、トラック1台に搭載できる。

少水量・高効率除染は、特殊ノズルヘッド(ツイストロータリーノズルヘッド)の開発により実現した。特殊ノズルヘッドは、直径20cm程度の円筒形フロアクリーナーの中で、路面と平行に高速回転(1000~1600回転/分)しながら、超高圧水を噴射する。しかも回転方向に向いたノズルから路面をえぐるような角度で超高圧水が噴射されるので、路面が受ける水圧が相乗的に高くなる。こうした仕組みによりS-Jetモバイルは少水量ながら高い除染効果を発揮するとともに、逆に少水量なので切削厚さを最小限に抑えることができる。除染部位表面の汚染状況は現場によって異なるため、ノズルヘッドの回転数や路面との距離を調整することで、除染効果を最適化する。

回収した除染廃液等は、トラック上のタンクにいったんストックし、放射性物質を約99.9%除去できる凝集沈殿処理を施し、固形物は放射性物質として回収。上澄水は放射能濃度が放流基準を満たしていれば現地で一般排水として放流、満たしていない場合にはゼオライトを用いたフィルターで処理する。

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