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産総研、非食用油を高機能洗剤に加工できる新技術を確立

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産総研、非食用油を高機能洗剤に加工できる新技術を確立

産業技術総合研究所は、アライドカーボンソリューションズ(ACS)、琉球大学と共同で、酵母と非可食バイオマス(非可食油)を使った天然由来の界面活性剤(バイオサーファクタント)を量産する技術を確立した。

今回、研究グループは、酵母を使った発酵プロセスにより、非可食バイオマスの一つであるマフア油からバイオサーファクタントを直接生産することに成功し、発酵条件や生成物の分離方法の最適化によって、安価かつ大量に供給する技術を確立した。

このバイオサーファクタントは、低濃度でも優れた洗浄性能を発揮する一方で、高い生分解性を示すため、環境に優しい洗浄剤やシャンプーなどのトイレタリー製品への展開が期待される。

低炭素社会への意識が高まる中、化学産業では、石油だけに依存しないで、再生可能資源を巧みに活用することが重要となっている。特に、非可食バイオマス(セルロースやマフア油など)は、食糧と競合しないため安定供給でき、価格変動も少ないといった利点から注目されている。既に、非可食バイオマスのバイオ燃料への利用は進んでいるが、合成技術やコスト面の制約から、これまで化学品への利用は非常に限られていた。しかし、バイオマスの活用を加速するために、燃料よりも付加価値の高い化学品への用途展開が望まれている。

一方、界面活性剤は、国内だけでも年間100万t以上が生産され、台所洗剤やシャンプーなどの日用品から、機械、建築、土木など幅広い産業で汎用される化学品である。使用後に環境中に拡散される可能性もあるため、安全で環境負荷が少なく、より少量で機能を発揮する高機能な製品が求められている。

現在、界面活性剤の多くは石油由来であるが、酵母菌や納豆菌といった微生物が、各種のバイオマスから作り出すバイオサーファクタントは、環境や生体に対して優しいだけでなく、石油由来の界面活性剤に比べて極めて低濃度でも効果を発揮する。環境負荷だけでなく原料転換や高機能化の観点からも、バイオマスを原料とする製品開発が求められている。

今後、産総研では、新たな構造や特性を持つバイオサーファクタントの探索・開発を続け、バイオマス由来の化学品の製造・利用促進に貢献していく。ACSは、既に業界各メーカーにサンプル供給を行っているが、早ければ今秋にも、今回のバイオサーファクタントを使用した製品の生産を開始する。また、製造のコストダウンも推し進め、優れた洗浄性能と低環境負荷を生かして、環境浄化を始め幅広い技術分野への用途展開を進めていく予定。

マフア油は主にインドなどで生産されている植物、マフア(学名:Madhuca indica)の種子から採れる油。別名バターツリー。従来は灯火用などに使われていたが、バイオマス燃料としての研究が進められていたもの。

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