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新潟大学など、「塗布型」太陽電池の新技術発表 変換効率5%から7.5%に

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新潟大学など、「塗布型」太陽電池の新技術発表 変換効率5%から7.5%に

科学技術振興機構(JST)と新潟大学は、有機半導体の溶液を塗布して作る「塗布型有機薄膜太陽電池(塗布型OPV)」の変換効率向上の要となる半導体ポリマーの配向制御技術を開発した。

塗布型OPVの実用化には変換効率の向上が最重要課題となっているが、今回、アルキル基の長さを調整し、半導体ポリマーの配向を制御する手法を確立。これにより変換効率を5%から7.5%に向上させた。今後は、実用化の目安とされる変換効率15%の到達に向けて研究開発が大きく加速することが期待されている。

「塗布型OPV」は軽量で柔軟な上、有機半導体の溶液を塗布して作製でき大面積化が可能で、現在普及しているシリコン太陽電池にはない特長を持つ次世代太陽電池として注目されている。ただ、変換効率が最大でも10%程度で、シリコン太陽電池(20%以上)より劣るため、変換効率の向上が急務となっている。従来、効率向上にはポリマーの吸収波長領域を広げる手法が主に検討されてきたが、ほかにも光吸収によって発生した電荷がポリマー内で流れやすくする手法が考えられる。そのためには、ポリマーの配列方向を平行にそろえることが有効とされているが、これまで配向が偶然そろうことはあっても、その機構は解明されておらず、制御は不可能だった。

今回、溶解性を高める目的で半導体ポリマーにアルキル基を導入した際に配向が変化したことにヒントを得て、導入するアルキル基の形状や長さの組み合わせを系統的に変化させた。その結果、導入した2種類の異なるアルキル基の長さがそろった時に、基板に対して垂直(エッジオン)だったポリマーの配向が、平行(フェイスオン)になることを発見。「フェイスオン」のポリマーは、電流が流れる方向とポリマーの向きがそろい「エッジオン」に比べて電荷を流しやすいため、ポリマー膜を従来の2~10倍厚く作製することが可能。ポリマー膜が厚くなったことで、太陽光をより効率的に集光できるようになり、約5%から最大7.5%まで変換効率が顕著に向上した。さらに、厚いポリマー膜は均質な膜を形成しやすいことから、大面積のOPVが作りやすくなるという相乗効果も得られた。

【参考】
JST - 半導体ポリマーの配向制御技術を開発

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