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島津製作所、電気加温法によるVOC汚染土壌の浄化技術を開発 難透水性土壌にも対応

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島津製作所、電気加温法によるVOC汚染土壌の浄化技術を開発 難透水性土壌にも対応

島津製作所は、日本のニーズに合った新しい「電気加温法」による揮発性有機化合物(VOC)汚染土壌の浄化システムを開発したと発表した。難透水性土壌にも対応し、大幅なコスト削減を可能とした。同社はこの技術を用い、平成26年度中に商用浄化を開始する予定。

「電気加温法」は、地盤に挿入した電極から土壌に交流電気を印加し、汚染領域を直接的に40℃~80℃に加温することで、従来法で難しいとされた難透水性土壌に吸着したVOCを短期間に脱離・揮発させ浄化を図る技術。また、VOC分解微生物の活性化に最適な温度まで土壌を加温し保温することにより、微生物による分解の方法(バイオレメディエーション法)の浄化効率を著しく促進させる技術としても活用できる。同社は「電気加温法」をオランダから技術導入し、日本のニーズに合った新しい「電気加温法」として開発した。

同社では、ボーリング費用、材料費の削減および加温期間の短縮を実現し、大幅なコスト削減が可能となった土壌浄化システムとして、今後日本での普及を見込む。

揮発性有機化合物(VOC)は、粘性が低く、一般に水より重いため、地下深層部まで浸透し、地下数十メートルにおよぶ土壌・地下水汚染を引き起こす。テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、及びその分解生成物であるジクロロエチレン(DCE)などが代表的なVOCだが、一旦、粘性土壌粒子に浸み込んだこれらVOCの除去は困難で、浄化には長期間を要する。

こうしたVOC汚染土壌の浄化技術としては、揮発しやすい性質を利用した土壌ガス吸引法、VOC汚染地下水を揚水する方法(地下水揚水法)、酸化・還元剤の注入によってVOCを化学分解する方法(化学的分解法)、及びバイオレメディエーション法などの原位置浄化技術が知られている。しかし、これら従来法は、砂質土での効果は高いものの、粘性土や関東ロームのような難透水性土壌の浄化には不適で、環境基準値の100倍程度からなかなか濃度が下がらないことがある。これは、透水性が低いため、ガス吸引や地下水揚水は難しいこと、更に酸化還元剤や微生物活性化に必要な栄養素等の注入が難しいことが原因となっている。このため、一旦、地下水濃度が低下したサイトでも、粘性土に吸着しているVOCが時間経過とともに地下水中に溶け出して、地下水中のVOC濃度が再上昇するいわゆるリバウンド現象が発生する可能性もある。

新しい「電気加温法」による土壌浄化システムでは、加温用の「電極井戸」と「VOC回収井戸」を兼用する「新電極井戸構造」を開発した。これにより、これにより井戸の数を従来の半数以下とすること、新電極井戸構造は汎用性のある一般鋼管を使用すること、加温効率の向上、掘削スピードの速い安価なボーリング工法の適用等を実現し、大幅なコスト削減を可能とした。また、同社では、この技術の優位性を検証するために、国際環境ソリューションズの協力のもと、およそ1年間にわたって実際の汚染サイトで実証試験を実施。その効果等を検証している。

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