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政府、電力システム改革法案を国会に提出

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政府は「電気事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、第185回臨時国会に提出する。

同法律案は、電力システム改革の3本柱の1つである「広域系統運用の拡大」などを実現することによって、電気の安定供給の確保に万全を期すとともに、具体的な実施時期を含む電力システム改革の全体像を法律上明らかにするもの。

電力システム改革の全体像については、今年4月に電力システムに関する「改革方針」が閣議決定された。この改革方針においては、電力システム改革の目的として、下記の3点が掲げられている。

  1. 安定供給の確保
  2. 電気料金の最大限の抑制
  3. 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大

また、この目的の下で次の「3本柱」の改革を行う。

  • A:広域系統運用の拡大
  • B:小売及び発電の全面自由化
  • C:法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保

さらに、この改革の実施を以下の3段階に分け、各段階で十分な検証・対処を行いつつ改革を進めることとしている。

実施時期 法案提出時期
【第1段階】
広域系統運用機関(仮称)の設立
2015年を目途に設立 本年通常国会に法案提出、廃案。秋の臨時国会に再度提出
(第2段階、第3段階の改正についてのプログラム規定を置く)
【第2段階】
電気の小売業への参入の全面自由化
2016年を目途に実施  2016年通常国会に法案提出
【第3段階】
法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保、電気の小売料金の全面自由化
2018年から2020年までを目途に実施 2015年通常国会に法案提出することを目指すものとする

法律改正の概要

今回の法律案における措置事項の1点目は「広域的運営の推進」。具体的には、電力システム改革の第1段階における「広域的運営推進機関の創設」と「経済産業大臣による供給命令の見直し」を行うもの。

これまでの制度下で電力融通を行う際は、電気事業法上の指定法人である「電力系統利用協議会」がその斡旋を行うのみで、電力融通に係る指示等は行わず、一般電気事業者間の合意を実質的に追認するにとどまっていた。今回創設される「広域的運営推進機関」とは、新電力を含む電気事業者に対し、電力融通に関する指示等を行うことで、広域的な電気の安定供給の確保を目的とする民間の組織。国の強い監督権限が及ぶ認可法人とし、全ての電気事業者に対し加入が義務付けられる。

措置事項の2点目は「自己託送制度の見直し」。自己託送とは、自家発電設備所有者が一般電気事業者の所有する電力網を利用することができる送配電サービス。例えば、自家発電設備がある工場から、別の工場へ電力を供給したい場合などに利用するもの。法律案では、一般電気事業者が正当な理由なく送配電サービス(自己託送)の提供を拒んだときは、経済産業大臣が提供するよう命令できるようになる。

措置事項の3点目は「電気の使用制限命令に係る制度の見直し」。これは、需要家に対して過度な負担を強いないよう、これまで経済産業大臣による罰則(100万円)付き命令しか規定されていなかったものを、より緩やかな措置として勧告制度を創設し、需給のひっ迫状況に応じ、使用制限措置に係る命令と勧告を選択的に発動できるようにしたもの。

さらに本法律案では、改革方針で示された「電力システム改革の段階的な実施」に関し、上記の各段階における実施時期や法案提出時期を附則としてプログラム規定の整備を行った。

【参考】
経済産業省 - 「電気事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました

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