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新開発「フィルム型」リチウムイオン蓄電池 生産速度10倍、容量も3倍に

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新開発「フィルム型」リチウムイオン蓄電池 生産速度10倍、容量も3倍に

積水化学工業は、塗工プロセスによる大容量フィルム型リチウムイオン電池を開発したと発表した。本電池は、同社比で容量3倍、生産速度10倍、そして高安全性を同時に実現した。容量が増えることで、電気自動車の航続距離伸長も期待できる。

同社は、今回、材料技術とプロセス技術開発を行い、圧倒的な「高生産性」・「フレキシブル」・「薄型」・「長尺・大面積」を有する大容量フィルム型リチウムイオン電池を提供することが可能となった。従来にない「省スペース(大きさ1/3)」・「設置形状自在」が実現でき、自動車・住宅・電子機器を始めとし様々な用途への展開が期待される。

今後、本電池の量産化に向けた検討を進め、電気自動車をはじめ様々な用途への早期実用化を目指す。製品化に向け改良を重ね、2014年夏を目処にサンプル提供を開始し、試作・評価を経て、2015年度には発売をする予定。

今回開発した大容量フィルム型リチウムイオン電池の特長は以下の通り。一般的に液体系電解質を固体化するとリチウムイオン伝導性が著しく低下するといわれている。

同社は、電解液のゲル化に着目し検討を進めてきており、今回、独自の材料技術として、ゲルタイプ電解質(ゼリー状の電解質。液体と比較し流動性が低いため塗工が可能)として高イオン伝導性(同社比約10倍)を有する新規有機ポリマー電解質材料を用いることにより、従来の真空注入プロセスではなく、連続塗工プロセスによる電池セル高速連続生産(同社比約10倍)と高安全性(一般的な安全試験評価『釘刺し、圧壊試験で問題なし』)を実現する見通しを得た。

さらに、その性能を最大限発現可能な高容量ケイ素系負極材料も新たに開発し、高容量化(電池セルにて900Wh/L)を実現する見通しを得た。これにより、軽量化、省スペース化、デザイン性を実現し、前述の特長を持つ、本電池を開発した。

本研究開発成果の一部(プロセス技術)は、NEDOが実施している「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業」の支援を受けて行われた。なお今回の成果は、本年12月12~14日に東京ビッグサイトにて開催される「エコプロダクツ2013」にて発表する予定。

積水化学は、これまで培ってきた高機能フィルムを武器として革新的な環境製品の創出に取り組んできた。特にエネルギー材料・デバイスについて注力してきており、その中でもリチウムイオン電池については、現状の課題である「重さ」・「スペース」・「安全性」・「容量」を解決するために、電池材料及び電池生産プロセスの研究開発を進めてきている。

また、2012年度からは、NEDOが実施している「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業」の支援を受けて研究を加速させてきた。その中で、画期的な高リチウムイオン伝導性を有する材料開発や既存のプロセスでは実現できない大面積/長尺の電池セルを作製可能なプロセス開発等といった革新的で挑戦的な開発に取り組んできた。

昨今の地球温暖化等環境問題やエネルギー事情を鑑み、省・創エネルギーの取り組み強化は急務となっており、特に再生可能エネルギー用、クリーンなエネルギー利用の重要性が高まっている。

その中で、再生可能エネルギーを有効かつ、クリーンに利用するために、様々な創エネルギー機器(太陽電池風力発電等)と同時に蓄電池システムの利用、あるいは電気自動車、ハイブリッド自動車等が市場に展開されている。蓄電池システムや電気自動車で利用される電池は、一般にリチウムイオン電池が使用されているが、さらなる改善が求められている。

リチウムイオン電池とは、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池。現在では、正極にリチウム金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材、そして、電解液を用いるのが一般的となっている。電解液を用いることは、リチウムイオン電池の安全性を高める上での障害となっており、様々な研究機関が電解液の固体化の検討を進めているが、性能・生産性の観点から電解液が主流になっている。

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