> > 産総研、パワー半導体用単結晶の成長を2倍に向上する高純度SiC粉末原料を開発

産総研、パワー半導体用単結晶の成長を2倍に向上する高純度SiC粉末原料を開発

記事を保存
産総研、パワー半導体用単結晶の成長を2倍に向上する高純度SiC粉末原料を開発

「産業技術総合研究所は、太平洋セメント、屋久島電工と共同で、パワー半導体用炭化ケイ素(SiC)バルク単結晶の高速成長を可能とする昇華法用高純度SiC粉末原料を開発した。

今回、SiC原料粉末からの昇華ガスの発生しやすさに着目。ガスの透過性を利用した空気透過法(ブレーン法)を用いて、現状の製造工程での温度条件を大きく変えずに成長速度を約2倍に向上させることが可能な粒子形状を有した高純度SiC粉末原料を開発した。

従来のSiC粉末原料と置き換えるだけで、SiCバルク単結晶の高速成長が可能で、高温工程の時間短縮によるコスト低減・工程の簡素化が実現。また、その製造法は、従来のSiC研磨材の量産技術であるアチソン法を元に改良したもので、高い量産性も有する。

今後は、単結晶製造における実用レベルの応用技術開発やさらなる高品質・高速成長を可能とする技術開発を進める予定。開発したSiC粉末については、サンプル出荷を計画中。

産総研では、1970年代から次世代パワー半導体材料としてのSiC半導体の研究に取り組んでおり、昇華再結晶法によるSiCバルク単結晶成長技術開発では、2002年に世界に先駆けΦ4インチ長尺単結晶の成長に成功、2013年には低損失パワーデバイスに貢献する積層欠陥のない高品質低抵抗n型SiCバルク単結晶を成果として報告した。

SiCバルク単結晶成長法の昇華再結晶法は、現在のSiCウエハー量産技術として既に確立しているが、結晶成長速度が遅いため、SiC単結晶インゴットの製造コストが非常に高いという問題があった。

今後のSiCパワーデバイスの研究開発、量産化を一層促進するには、材料コストを大きく改善できる新しい結晶成長技術の確立が重要。SiC単結晶インゴットの量産効率を改善するには、単結晶成長速度の高速化が最も重要となる。

昇華再結晶法における単結晶成長速度は、炉内の温度勾配によって制御が可能だが、高い成長速度を得るために大きな温度勾配を付けると成長条件が合わなくなり、結晶多型の異常や結晶内部ひずみの増加、結晶欠陥の増加などのさまざまな問題が発生する。そのため、現状の量産技術でも、結晶成長速度は500µm/h程度と、シリコン単結晶の20分の1以下の成長速度で限界となっている。

また、昇華法による単結晶成長では2,000度を超える高温工程が必須で、その継続時間は製造コストに直結し、時間の短縮が大きな課題だった。このような背景から、産総研では、結晶成長技術、粉末製造技術を融合させ、SiCバルク単結晶の生産能率を改善する新しいSiC粉末原料の開発に着手した。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.