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燃料電池「エネファーム」のエネルギー効率測定法をJIS化 国際規格化に先手

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燃料電池「エネファーム」のエネルギー効率測定法をJIS化 国際規格化に先手

経済産業省は、家庭用燃料電池システム「エネファーム」について、実使用におけるエネルギー効率等の試験方法を定めた日本工業規格(JIS)を制定した。

今回制定した規格は、小型燃料電池システムのエネルギー効率について、従来の定常状態での効率ではなく、より実使用に近い作動条件でのエネルギー効率及び省エネルギー性の測定方法を定めた重要な工業標準となる。

本規格は世界に先駆けて作成されたもので、国際規格としてIECに提案する方向で検討している。本規格の制定により、日本の小型燃料電池システムの省エネルギー性が適正に評価されるようになり、ユーザにおける製品選択及びメーカの産業競争力強化に寄与することが期待される。

電気出力10kW未満の小形燃料電池システムは、有害な排出物がほとんどなくクリーンで、エネルギー効率も非常に高く、しかも天候に影響されず安定して電気と温水が得られる地球環境保全に優れたコジェネレーションシステム。小形燃料電池システム(エネファーム)は日本が2009年に世界に先駆けて一般販売を開始し、2012年度までのわずか4年間で、40,344台が実際の家庭に設置されている。今後は日本を始め、ヨーロッパなど世界中に普及すると予測されている。

小形燃料電池システム(エネファーム)の市場動向

小形燃料電池システム(エネファーム)の市場動向

当該規格の制定の目的及び背景

これまで小形燃料電池の安全性等を確保するために数多くの製品規格が作られてきた。例えば、安全性規格としてJIS C 8822、性能試験方法としてJIS C 8823などがある。さらに近年では、従来の定常状態での効率ではなく、実際に使用する場合のエネルギー効率を求める要望が多くなってきている。そこで、実際の家庭に燃料電池システムを設置した場合を想定し、起動から発電・部分負荷運転、停止、保管状態までのすべての工程を含めた、より実使用に近い作動条件でのエネルギー効率及び省エネルギー性を測定する方法を定めることにした。

本規格は、実際の家庭に設置された場合を想定し、その使用条件での2つの試験方法を定めている。一つは、11モード・エネルギー効率試験方法。自動車の燃費を測定する10・15モードやJC08モード燃料消費率試験方法に相当するもので、標準家庭の消費電力を模擬した運転パターンに基づいた燃料電池発電ユニット単体でのエネルギー効率(発電効率、排熱回収効率及び総合効率)を測定するための試験方法。

もう一つは、年間の電気及び給湯の消費エネルギー量の測定方法。これは、冷蔵庫やエアコンの年間の消費エネルギー量を測定する試験方法に相当するもので、燃料電池発電ユニットと貯湯ユニットとからなる小形燃料電池システムを実際の家庭に設置した場合の年間の電気と給湯の消費エネルギー量を測定する試験方法。

定置用燃料電池の国際標準化は、日本も積極的に参加している。特に、電気出力10kW未満の小形燃料電池に関しては、日本が作業会(WG)のコンビーナを務めJIC C 8821、JIS C 8823、JIS C 8824、を基にIEC規格の新規提案を行い審議の中でJIS C 8841-1、JIS C 8841-3の内容を追加して検討を行い2013年7月にIEC62282-3-201(小形定置用燃料電池システム性能試験法)として発行された。その他IEC 規格としては、IEC62282-3-100(安全要件)、IEC62282-3-200(試験方法)、IEC62282-3-300(設置要件)などがあるが、いずれも関連するJIS 規格の内容が反映され整合性がとれている。今回の本規格は世界に先駆けて作成されたもので、国際規格としてIECに提案する方向で検討している。

当該規格の制定ポイント

  1. 11モード運転パターン
    燃料電池発電ユニットを起動・停止を含む実際の標準家庭の消費電力を模擬した11モード運転パターンで運転した場合の11 モード発電効率、11モード排熱回収効率及び11モード総合効率を測定するための試験。試験条件として外気温度と給水温度が規定されている。
  2. 11モード運転パターンA、運転パターンB、運転パターンCから選択
    燃料電池システムの運転方法には大きく分けて、(1)1日1回程度の起動停止運転(DSS、Daily Start and Stop)、(2)週1回程度の起動停止運転(WSS、Weekly Start and Stop)、(3)24時間連続運転などの、複数の運転方法がある。実際の運転方法は、機種によっても異なり、また、同じ機種でも使用される家族構成及び季節の違いによっても変わる。一つの運転方法に限定するのは難しいため、代表的な運転パターンを選択できるようになっている。運転パターンの違いによる性能差は、ほとんどない。
  3. 標準家庭の年間の電力負荷パターン
    標準家庭の年間消費エネルギー量の測定を行うために、実験データに基づき基準となる標準家庭の電力負荷パターンを設定している。標準家庭の電力負荷パターンは、夏期92日(7月、8月及び9月),中間期152日(4月、5月、6月、10月及び11月)及び冬期121日(12月、1月、2月及び3月)の季節ごとに異なっている。
  4. 標準家庭の年間の給湯保温負荷パターン
    燃料電池システムは、この標準家庭の給湯保温負荷パターンに従って湯が消費される。他の給湯機器と同じ標準家庭の給湯保温モード(56モード)に従って、給湯出力及び浴槽の保温をする方法。1年間を夏期、中間期及び冬期に分け、各期の外気温度、給水温度、給湯温度がそれぞれ規定されている。

日本工業規格(JIS)とは、鉱工業品の品質の改善、性能・安全性の向上、生産効率の増進等のため、工業標準化法に基づき制定される日本の国家規格。経済産業省は、技術の進歩や、安全性向上等必要に応じて、JIS規格を制定・改正している。

【参考】
経済産業省 - 日本工業規格(JIS規格)を制定・改正しました(平成25年12月分)

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