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経産省、洋上風力の調達価格に係る研究会の報告書を取りまとめ

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経済産業省は、洋上風力の調達価格に係る研究会の取りまとめを行い、その結果を公表した。3つの代表的な事例をもとにコストを試算した結果、資本費(調査、設計、設備、工事費用)は1kW当たり45万~79万円、運転維持費は年間1kW当たり1万5,000~3万円となった。

整理した内容は、今冬開催される調達価格等算定委員会に諮り、法律の規定に基づき、来年度の調達価格に反映させることの適否について検討する。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、太陽光風力地熱、水力、バイオマスの電源別に、電気の調達価格が設定されている。このうち、風力については、現在、既に事業化されている陸上風力を念頭に調達価格が設定されている。

洋上風力は、陸上風力のポテンシャルが限定的な日本において、再生可能エネルギーの導入拡大を図る上で不可欠の技術だが、これまで、コストデータが把握可能となった段階で検討を行うこととなっており、調達価格が設定されていなかった。

今回、着床式洋上風力については、実証事業や海外事例からデータ収集の見通しが立ったため、省エネルギー・新エネルギー部長が主宰する外部有識者からなる研究会を組織して、各種実証事業のデータの信頼性や海外事例のコスト動向等の整理を行った。

取りまとめのポイント

本研究会では、実証事業により得られた実績等を踏まえ、日本において、洋上風力発電を効率的に実施した場合に必要となる費用の検証を行った。

実証事業では、風車1基だったが、これを20~50基のウィンドファームに拡張した場合の費用について試算したところ、資本費107万円、112万円/kW、運転維持費2.3万円、3.1万円/kW/年となった。

これは、本実証事業が、大型風車や沖合の大水深など、難易度の高い条件にも対応できる高価な基礎構造や、工事に当たって現時点で利用可能な既存の施設・工法など、実証実験のコスト構造をそのまま拡張したデータであり、海外事例や事業検討段階にある事業者のデータ等を参照すれば、この水準は十分に下げうるもの、と評価された。

実証事業の成果も踏まえつつ、事業検討段階にある事業者へのヒアリング、事業者も参画した実現可能性調査、海外の事例等をあわせて分析した結果、事業化段階における費用を検討する際に、大きく3つの代表的なコスト試算オプションに見解が収斂した。

(1)事業検討段階にある一部事業者の報告

  • 資本費45万円/kW、運転維持費2.1万円/kW/年。
  • 委員から以下の指摘があった。
  • 利害関係者の特定が容易な港湾内の開発案件で調整コストが安価
  • 事業リスクや設備利用率の見通しなどに不十分

(2)比較的条件が良い海域

(海底条件が良く、比較的高い設備利用率が期待できる)において、国内外で商用化実績を有する相対的に安価な基礎構造を想定するケース

  • 資本費54~59万円/kW、運転維持費1.5~3.0万円/kW/年。

(3)沖合で大型風車を設置する際に採用が見込まれる、相対的に高価な基礎構造を想定するケース

  • 資本費75万円、79万円/kW、運転維持費2.1万円、2.3万円/kW/年。
  • 一部の委員からは、本ケースのような、欧州でも展開が始まっている沖合での大型風車も見据えた調達価格の設定が必要との意見があった。

専門家の間では、特に、(2)から(3)の間が有望とされたが、実際に導入が想定される地理的環境や、どのような風車・基礎を念頭に置くかによって、適切なコスト水準の評価も分かれうるとの見解となった。これらの評価を、事業全体のリスクも加味して、どのように調達価格の設定につなげていくかについては、その是非も含めて、調達価格等算定委員会における議論に委ねる。

同省は、平成25年11月より、陸上風力のポテンシャルが限定的な日本において、再生可能エネルギーの導入拡大を図る上で鍵となる、洋上風力の調達価格の設定に向けて、洋上風力のコスト等について検討を行ってきた。今回、検討内容を取りまとめ、公表した。

【参考】
経済産業省 - 洋上風力の調達価格に係る研究会の取りまとめを行いました

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