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CIGS太陽電池製造時に破棄する部分からレアメタルをリサイクルする新手法

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CIGS太陽電池製造時に破棄する部分からレアメタルをリサイクルする新手法

スウェーデンの太陽電池製造装置メーカーのミッドサマー社は、チャルマース工科大学との協力関係により、CIGS太陽電池の製造時に残留するインジウム、ガリウムなどのレアメタルをリサイクルするユニークなプロセスを開発したと発表した。

ガリウムとインジウムは高価なレアアース金属のため、このリサイクルプロセスによりCIGS生産の原材料コストを大幅に削減するとともに、資源を有効活用することができる。

CIGS太陽電池は、銅・インジウム・ガリウム・セレン(CIGS)の化合物を原料とする化合物系太陽電池。

今回開発したのは、CIGS太陽電池の製造時に、セルの枠外に製膜されてしまうレアメタル部分のリサイクル方法。この最新のプロセスにより、製膜ターゲットの30~40%にもなる残留部分だけでなく、装置のマスク部分に製膜されてしまう原材料もリサイクルが可能になる。

従来のリサイクル方法では、原料を合金のままで溶かして精錬する必要があった。しかし、この新しいユニークな方法では、酸を使って構成材料を溶解する前にセレンを全て取り除くことを可能にした。

このプロセスの特徴は、セレンを酸素で取り除くことにより、酸化した残留金属のリサイクルが容易になることである。セレンは化学反応を起こした際に毒性ガスを発生する可能性があるので、リサイクルの安全性も高まった。

「CIGSの合金はパウダー状にすり潰され、酸素がその合金パウダーに流れ込んでいく。この方法では全てのセレンが酸素と結合し、二酸化セレン(SeO2)が形成される。金属から分離されたセレンは高純度(5N、99.999%以上)なのでリサイクルも容易であり、そのまま太陽電池生産プロセスに再利用できる」と研究者は説明する。

ミッドサマー社は光ディスク製造装置分野とフォトマスク産業分野をルーツとする、2004年に創業されたスウェーデン・ストックホルム市の企業。高速および効率的な製造工程を実現するスパッタリング製法のノウハウを用いて、フレキシブルなCIGS薄膜太陽電池の製造を高効率および低コストで可能にする生産ラインを開発している。

同社のCIGS薄膜太陽電池は本技術を使用し、156mm×156mmのステンレス基盤上に製膜される。また、CIGS業界ではよく使用されている毒性を含むカドミウムを一切使用していないことも特徴としている。

CIGS太陽光パネルは、従来のシリコン太陽光パネルよりも軽量かつフレキシブルの上、ステンレス等の基盤を使用して、ガラスなしでパネル化ができる。これらの太陽光パネルは海上や貯水池、交通機関、埋立地、移動用発電設備、膜構造の屋根、耐過重問題によりガラスパネルが設置できない場所への使用が可能。変換効率も大幅に向上しており、マーケットシェアを伸ばしている。ミッドサマー社は全工程真空状態の生産により15.8%を超える開口面積変換効率を実現している。

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