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超硬工具工場のタングステンスラッジからレアメタルを回収する新事業

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超硬工具工場のタングステンスラッジからレアメタルを回収する新事業

サンクト(東京都江東区)は、レアメタルのひとつであるタングステン原料の安定確保に向けて、産業廃棄物として処分されることの多い、超硬工具の製造過程で発生する炭化タングステンスラッジ(汚泥)を活用したリサイクル事業を開始した。

同社は、3月7日、「レアメタルの前処理事業」に本格参入したと発表した。2013年6月に東海地区にて工場を取得した後、グループ会社の傘下とし、設備改修や環境装置の取り付け回収を行い、年明けに本格稼働させ本事業をスタートさせた。

本事業では、超硬工具の製造過程で発生するタングステンを含む汚泥(スラッジ)を乾燥・焙焼することでタングステン分を濃縮し、超硬工具メーカーなどがリサイクルしやすい原料に仕上げ供給する。それにより、希少価値の高いタングステン等の特殊金属の安定確保を目指す。

同社では、このスラッジの前処理を主に超硬工具メーカーと委託加工契約を結び行っている。委託加工契約以外にも、炭化タングステンスラッジを買取り、前処理を施して国内外の炭化タングステンメーカーへ販売している。また、炭化タングステンスラッジ以外にも、大手自動車メーカー系列の電池メーカー等と契約を結び、ニッケルめっきスラッジやニッケル水素電池の製造工程で発生するスラッジなどの前処理も行っている。

今後、炭化タングステンスラッジを始め、レアメタルリサイクルの前処理事業に力を入れ、原料の安定的な確保を目指す考えだ。

タングステンは高融点で高硬のレアメタル。超硬工具は、タングステンを主原料とする超硬合金を用いた切削工具、耐摩工具、鉱山土木工具などの総称。

現在、タングステンの供給は世界生産のおよそ7割を占める中国に依存しており、供給途絶リスクが高まっている。そのため、日本では使用済み超硬工具から主原料のタングステンを回収する動きが活発化している。

タングステンリサイクルの取り組みは、使用済み超硬工具からの回収が主となっている。工具の生産工程で発生する炭化タングステンスラッジは水分や油分が多いため、産業廃棄物として処分されることが多くあった。しかし、炭化タングステンスラッジは推定で年2,500トン排出されている。

同社の「レアメタルの前処理事業」の特長は以下の通り。

1.乾燥・焙焼処理によるリサイクル原料の前処理

同社は超硬工具の製造工程で発生する炭化タングステン(WC)スラッジをメーカーから集荷。工場の定置炉を使い、乾燥・焙焼処理を行う。これによりタングステン分を数十%に濃縮するというリサイクル原料の前処理を行う。金属分を濃縮したリサイクル原料を使えば、効率よくタングステンを精錬できる。設備の焙焼能力は月150~200トン。

2.正確な計量データを委託加工契約先に提供

炭化タングステンスラッジは水分や油分が多いため、産業廃棄物として処分されることが多くあった。リサイクル業者が有価物として引き取る場合もあったが、水分と油分の多さで適正な評価が難しいという課題があった。同社は正確な計量データを委託加工契約先に提供することでこの課題を克服した。適正な評価を可能としたことによって信頼を獲得し、レアメタルリサイクルの前処理事業を軌道に乗せている。

サンクトはアミノ酸の輸出及び国内販売、レアメタルの輸出入、国内販売及びリサイクル(金属スラッジの回収・焼成事業)、遺伝子(cDNAクローン)の輸出及び国内販売を手がける。

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