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日立金属、磁石生産時のスラッジからレアメタルを回収する新手法を開発

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日立金属、磁石生産時のスラッジからレアメタルを回収する新手法を開発

日立金属は、ネオジム系磁石(希土類磁石)の生産過程で発生する加工くず(スラッジ)から、レアメタルと鉄を回収できる新しいリサイクル方法を開発した。酸やアルカリの使用を極力減らし、環境への負荷を抑えた方法により、希土類元素を高い回収率で回収するだけでなく、鉄分を銑鉄(有価物)としても回収することを可能とした。

同社は、2014年度中を目標に本リサイクル方法の実用化の検討をすすめ、環境親和性の高い国内完結型の希土類磁石のリサイクルまでを含めたサプライチェーンの構築を目指す。

ネオジム系焼結磁石(希土類磁石)は、優れた磁気特性を有することから、高効率化・軽量化・コンパクト化が求められる自動車、産業機械、エアコン、電子機器のモーターや風力発電機などに使用されている。特に、ハイブリッド車電気自動車など次世代自動車の駆動用モーターの磁石として、不可欠な基盤材料となっている。

今後も省エネルギー化が進む中で、希土類磁石の使用量がますます増加すると見込まれている。希土類磁石の使用量増加にともない、生産の際に切削加工で発生するスラッジの量も増加すると予測される。

スラッジには、希土類磁石の原材料である希土類元素が含まれているため、これまで東南アジア等に再生用資源として輸出したり、国内のリサイクルメーカーに委託したりすることで、希土類金属へ再生を行っていた。しかし、従来の回収方法である湿式法では、酸、アルカリを大量に使用することやホウ素を含有する廃水が生じるなど、環境への負荷の懸念があった。さらに希土類元素の抽出後の残渣(残りかす)には、鉄分が多く(スラッジ固形分10トンに対して約7トン)含まれるにも関わらず、利用されずに産業廃棄物として埋め立て処理となっていた。

今回、同社が開発したのは、製鉄において使用されている直接還元製鉄法を、焼成したスラッジ(焼成スラッジ)に適用することによって、希土類元素を抽出できるリサイクル方法(炭素熱還元法)。同社によると、本リサイクル方法を開発したのは世界で初めて。

この方法では焼成スラッジを鉄鉱石に見立てて炭素とともに加熱することによって、希土類元素をスラグ(スラッジ上に浮上する物質)として回収する。試験結果では、希土類元素抽出にかかる時間が従来の湿式法に比べて短く、回収率も高くなることを確認した。さらに残った鉄くず(酸化鉄)は、再利用可能な銑鉄となる。また、炭素熱還元法は酸による抽出ではないため、酸の使用をホウ素抽出時のみに減らすことが可能であり、環境への負荷が低減される。

なお、本開発において、特許を1件取得済。本開発の成果は、3月26日~28日に開催される、一般社団法人 資源・素材学会春季大会で発表する。

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