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IPCC第5次評価報告書が公表 将来のリスクがより具体的に

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第38回総会が平成26年3月25日~29日、神奈川県横浜市で開催され、同期間中に第2作業部会で審議されたIPCC第5次評価報告書が公表された。

第2作業部会は、気候変動がもたらす悪影響と好影響、気候変動への適応、気候変動に対する社会経済及び自然システムの脆弱性について、評価を行っている。平成19年にまとめられた第4次報告書では、観測された影響と将来の影響、脆弱性について、地域・分野別に評価し、影響軽減のための適応が重要であると示した。

今回の第5次評価報告書では、新たな知見をもとに、観測された影響と将来の影響、脆弱性について地域・分野別に、より具体的に評価し、適応策についても実際の適用を念頭に整理した。また、世界全体の気候変動による主要リスクの抽出とその評価、地域別の主要リスクとそれに対応した適応の有無によるリスク変化についても評価した。

報告書では、現在、世界において観測されている気候変動による影響は、水量や水質の変化による水資源への影響、陸・水、海洋生物の生息域の変化、農作物への負の影響などを指摘。熱波や干ばつ、洪水、台風、山火事など、気候の極端な変化による現象は、多くの人間システムや生態系の脆弱性を明らかにしていると報告している。

世界全体の将来リスクについては、海面上昇、大都市への洪水被害、極端な気象現象によるインフラ等の機能停止、熱波における死亡・疾病、気温上昇・干ばつによる食糧への影響、水質資源不足、海洋生態系の損失、陸域・内水生態系がもたらすサービスの損失など、8項目をあげた。適応策については、すべての状況に対応するリスク低減のアプローチは存在せず、世界全体の適応ニーズと適応のための資金には隔たりがあるとし、今後、さらなる研究の向上が必要であるとしている。

今後、気候変動の進行がより早く、大きくなると、適応の限界を超える可能性があるが、政治的・社会的・経済的・技術的システムの変革により、効果的な適応策を講じ、緩和策をあわせて促進することにより、より強靭な社会の実現と持続可能な開発を促進していく。

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)は、国際的な専門家でつくる気候変動についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構。人為起源による気候変動、影響、適応、緩和策に関し、科学的、技術的、社会学的な見地から包括的な評価を行う機関として、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された。日本での総会は今回が初めてとなる。

【参考】
環境省 - IPCC第5次評価報告書 第2作業部会報告書の公表について

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