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水中のセシウムを素早く計測できる新技術 6時間が8分に短縮

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水中のセシウムを素早く計測できる新技術 6時間が8分に短縮

日本バイリーンと産業技術総合研究所は、7日、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響が懸念される福島県内の河川などで、効率的に水中の放射性セシウムを計測できるモニタリングシステムの開発に成功したと発表した。

本システムでは、環境水中のセシウム濃度を測定する際に必要な前処理を6時間から8分に大幅短縮することができる。多地点での継続的なモニタリングなど長期的な環境への影響評価に大きく貢献することが期待される。

今回、本研究チームは、放射性セシウムの吸着効率が高く、広いpH範囲で性能を保つことができる青色顔料のプルシアンブルー色素を付着させた不織布カートリッジ「Zn-C」を新たに開発した。本システムでは「Zn-C」を用いることで、安定的な水中セシウムの計測を実現した。「Zn-C」は、4月より日本バイリーン社によって試験販売され、福島県内でのセシウムの環境動態モニタリングに活用される予定。

福島第一原電の事故では多くのセシウムが陸域に沈着し、その後徐々に河川などに流出していると考えられている。長期的な環境への影響や安全性を考える上で、環境水中のセシウム濃度を継続的に測定することが求められている。

しかし、福島県内の多くの河川では、セシウム濃度が「水1Lあたり1.0ベクレル未満」と低いため、この濃度レベルでは前処理を行わなければ正確な放射能濃度の測定をすることができない。そのため、従来法では、まず20~100Lの水をろ過して水に溶けていないセシウムを測り、さらに水に溶けているセシウムについては水分を蒸発させて濃縮してから測る方法が用いられている。しかし、この前処理法は6時間から1週間もの時間がかかり、多地点での継続的なモニタリングが進まない原因となっている。

本研究チームは、不溶性セシウムと可溶性のセシウムをそれぞれ吸着できる2種類の不織布カートリッジを使ったモニタリングシステムをこれまでに開発してきた。今回、水中セシウムを吸着する青色顔料のプルシアンブルー色素を改良し(鉄元素を亜鉛元素に置き換える)、それを付着させた不織布カートリッジ「Zn-C」を用いて吸着効率をさらに高めることに成功した。この亜鉛置換体プルシアンブルーを使った不織布カートリッジ「Zn-C」を使用すれば、水20Lの前処理にかかる時間を、約6時間から約8分に大幅に短縮できる。また、この性能は広いpHの範囲(pH3~10)で保たれることが分かった。

なお、本開発成果は、科学技術振興機構(JST)の研究開発プロジェクトの一環で得られた。

【参考】
科学技術振興機構 - 水中の放射性セシウムを素早くモニタリング

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