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IPCC報告書、何もしなければ2100年には平均気温3.7~4.8度上昇

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、13日、新たな研究成果や政策実行に基づく、気候変動に関する最新の知見をとりまとめた報告書を公表した。

本報告書では、2030年まで気候変動緩和の取り組みを遅延させると、長期的な低排出レベルへの移行が相当困難になり、産業革命前から気温上昇を2℃未満という国際目標に抑え続けるための選択肢の幅が狭まると指摘。緩和に向けた取り組みを直ちに開始するよう呼び掛けている。

追加的な緩和策のないベースラインシナリオでは、2100年における世界平均地上気温が、産業革命前の水準と比べ3.7~4.8度上昇する可能性が高いとしている。

本報告書では、目標とする濃度別に複数のシナリオを分析した結果を提示している。その濃度の幅は、2100年において、大気中のGHG濃度がCO2換算で430ppmから720ppmを超えるレベルに至る。

人為起源のGHG排出による気温上昇を産業革命前に比べて2℃未満に抑えられる可能性が高い緩和シナリオは、2100年に大気中のCO2換算濃度が約450ppmとなるものである。同レベルに達する大半のシナリオで特徴的なことは、エネルギー効率がより急速に改善され、再生可能エネルギー、原子力エネルギー、並びに二酸化炭素回収・貯留(CCS)を伴う化石エネルギーまたはCCS付きバイオエネルギー(BECCS)を採用したゼロカーボン及び低炭素エネルギーの供給比率が2050年までに2010年の3倍から4倍近くになっていることだった。原子力エネルギーについては、成熟した低GHG排出のベースロード電源として評価しているが、各種の障壁とリスクが存在すると指摘する。

本報告書は、第5次評価報告書、気候変動の緩和に関する第3作業部会報告書の政策決定者向け要約(SPM)として公表された。平成19年の第4次評価報告書以来7年ぶりの本報告書となる。

第5次評価報告書では、第4次評価報告書後の世界排出量の増大により、本報告書では、低い濃度目標レベルを達成するためには、目標濃度を一時的に超える濃度レベルを経ながら2100年頃に向けて濃度を低減していくシナリオ(オーバーシュートシナリオ)も多くの分析で示されている。

また、緩和政策・措置について、第4次評価報告書では、京都議定書体制や炭素税、キャップ・アンド・トレード、再生可能エネルギー、技術開発など、導入間もないものも含む種々の緩和オプションにつき、主に経済学の理論的見地からその効果につき評価していたが、第5次評価報告書では、第4次評価報告書以後のそれらの緩和政策・措置の実行や実証の蓄積を踏まえた検証、評価を行っている。

IPCC第39回総会及び第3作業部会第12回会合は、4月7日(月)~12日(土)、ドイツ・ベルリンで開催された。今後の予定として、IPCC第40回総会が10月27日~31日にデンマーク・コペンハーゲンで開催される予定。本総会では、統合報告書承認・公表等を予定している。

【参考】
環境省 - 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書第3作業部会報告書

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