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芝生で油汚染土壌を浄化 低コスト・低負荷型の新技術

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芝生で油汚染土壌を浄化 低コスト・低負荷型の新技術

環境省は、14日、「平成25年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」 対象技術の評価結果を公表した。

本調査では、低コスト・低負荷型の土壌汚染の調査及び対策に資する実証試験段階の技術を開発し技術開発の結果を評価・公表することで、土壌汚染対策の推進を図ることを目的としている。平成25年度の実証試験に選定されたのは、住友林業株式会社の「日本シバによる油汚染土壌のファイトレメディエーション」。

本技術は、高濃度油汚染土壌にも生育する耐油性・耐乾燥性の強い日本シバ品種(名称:バーニングフィールド)を用いる油汚染土壌浄化工法(ファイトレメディエーション)。植物の根が土壌中にスパイク状に侵入し、根から分泌されるタンパク質や糖、アミノ酸、 有機酸等の化合物を栄養分にして増殖する、油分分解能力を持つ微生物が土壌中の油分を浄化する仕組みだ。

同技術は、他の油汚染対策と比較して低コストで、特に長期間かけての高濃度汚染対策として実施する場合、掘削除去と比較し、最大で20分の1のコストで浄化できる。

植物の生育に必要な太陽光・雨水があれば浄化可能で浄化にエネルギーを必要とせず、処理土の埋立処分や埋戻し用の土砂の採取が不要で、周辺環境への負荷が少ない。植栽やメンテナンスはほぼ人力施工で、施工中の騒音、振動、悪臭、排ガス、排水、残渣も少なくてすみ、処理量単位の二酸化炭素排出量は、従来技術の約40分の1~20分の1に削減が見込める。また、日本シバは生態系への悪影響や花粉症などの原因にもならず、環境への負荷が少ない技術と言える。

今回は、条件が異なる3サイト(高濃度汚染への適用を検証する高濃度サイト(Sサイト)、土壌中の水分の低下対策を検証する土壌水分低下対策サイト(Kサイト)、及び土壌化学性の改善による浄化効果の安定化を図る低濃度サイト(Tサイト))において試験を実施。目標とする低減率が達成された区画が14地点(Sサイト5地点、Kサイト7地点、Tサイト2地点)、達成できなかった区画が4地点(Sサイト1地点、Kサイト3地点)だった。しかし、すべてのサイトにおいて根の伸長が認められ、総じて根の有効深さ内において目標とする油分低減率が達成されたと考えられる。

一方で、本試験では地点ごとのばらつきを踏まえた油分低減率の定量的評価には至らなかった。今後は、サンプリングのばらつきを統計的に評価できる調査手法を計画する必要がある。また、根の存在と真正細菌数に関係があることが判明したが、油分低減が微生物係の証明までには至らなかった。さらに、事業化の際には、自然地盤での適用についても実証していくことが望まれる。

評価としては、油分解微生物と油分低減率の相関は検出できなかったが、シバによる一定の油分低減効果が期待される結果が得られたとしている。さらに、数%の油分濃度条件下でも試験に用いたシバ(バーニングフィールド)が生育しており、高濃度汚染土壌への適用についてさらなる検証が期待される。

【参考】
環境省 - 「平成25年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」 対象技術の評価結果について

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