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浄化技術などの特許、米国への国際出願は来春にも日本で審査可能に

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特許庁と米国特許商標庁は、平成27年4月1日にも、日本国特許庁の特許協力条約(PCT)国際出願の国際調査・国際予備審査の管轄国を米国に拡大することを含めた特許審査協力に関する試行を開始することで、基本的な合意をした。

本合意による特許審査協力が実施されれば、米国が受理した特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願について、依頼人の指定があれば、その国際調査・国際予備審査を日本が作成できるようになる。試行の対象分野はグリーン技術を優先して取り上げ、対象案件は3年間で5,000件を目途としている。

グリーン技術の具体的な内容については決まっていないが、特許庁では、水質汚染浄化や土壌汚染浄化、排ガス対策などの環境改善策にとどまらず、省エネ技術など幅広い分野での環境技術を想定しているという。

今回、日米間で特許審査協力に関する以下の点について試行を開始することで基本的な合意をした。

(1)米国が受理した特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願について、その国際調査・国際予備審査を日本が行うこと
(=日本による国際調査・国際予備審査の「管轄国」を米国に拡大する)

  • 試行の対象分野は、グリーン技術を優先して取り上げる。
  • 試行の対象案件は、3年間で5,000件を目途とする。

(2)日米の特許審査官が協働して審査を実施することにより、審査の質の向上を図ること。

  • 技術的に内容が関連し、日米で一括して権利取得をしたい一群の出願について、まとめて審査する。
  • 必要に応じ、出願人から出願群に関する技術的な背景の説明を行う。

これらの試行が実現することにより、日米間の審査実務に係る制度や運用の調和に向けた議論の進展が期待される。また、このような協力を通じて、制度や運用の調和が進むことにより、日米の出願人にとって日米両国での権利取得の予見性が高まるものと考えられる。

日本を含めた事業活動のグローバル化が加速化する中で、製造拠点や販売先などの外国での特許権取得の必要が高まっている。過去10年で日本企業の海外特許出願は約12万件から約20万件へ66%増加している。

このような中、日本国特許庁は、平成18年に世界で始めて米国との間で特許審査ハイウェイを開始するなど、グローバルに活動する日本企業の権利取得を支援するべく、世界をリードする知的財産庁として、日米間の審査協力を強化してきた。

一方で、日本特許審査の内容・品質についても、その一層の向上、「世界最速・最高品質の特許審査」の実現を通じ、「日本で特許を取れば、海外でも特許が取得できる」との知的財産システムを目指す必要がある。

【用語】

  • 特許審査ハイウェイ:
    ある国で特許権を取得することが可能と判断された出願について、出願人の申請により、別の国で簡易な手続で早期審査を申請することができる制度のことをいう。
  • 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願:
    一つのPCT出願を行うことで、PCT加盟国であるすべての国に同時に出願した場合と同じ効果が得られる。PCT国際出願は、PCTが定める国際調査機関・国際予備審査機関により、先行技術調査及びその特許性に関する見解が示されるため、各国の特許庁は国際調査機関・国際予備審査機関の調査結果及び見解を参照して自国の審査を行うことが可能。
  • PCT国際出願の国際調査・国際予備審査の管轄国:
    日本国特許庁が、ある国のPCT国際調査・国際予備審査を管轄する管轄国際調査機関・管轄国際予備審査機関である場合、その国で受理されたPCT国際出願について、出願人の希望があれば日本国特許庁が国際調査報告・国際予備審査報告を作成できる。現在の日本のPCT国際調査・国際予備審査の管轄国は、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシアの7カ国。

【参考】
経済産業省 - 米国との間で特許に関する審査協力を強化することに合意をしました

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