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中国のレアアース輸出規制 WTO協定違反と確定

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WTOは、8月7日(ジュネーブ時間)、日本、米国及びEUの申立てに基づきWTOで審理されてきた中国の原材料3品目(レアアース、タングステン、モリブデン)に関する輸出規制について、紛争処理上級委員会の報告書を公表した。

同報告書は、中国の輸出規制について、GATT(関税及び貿易に関する一般協定)第11条1項(輸出数量制限の禁止)及び中国のWTO加盟議定書第11条3項(輸出税の禁止)等に違反するとの日本の主張を全面的に認め、中国にWTO協定に従って措置を是正するよう勧告した。

経済産業省は、本件について、重要資源であるレアアース、タングステン、モリブデンに関して、中長期にわたり市場を歪曲してきた輸出数量制限、輸出税賦課がWTO協定に違反することが確定した重要な判断と説明している。

本報告書により、天然資源の保全や環境保護といった建前で天然資源の輸出規制を行い、実際には国内産業を優遇することは、WTO協定違反となることが確定した。日本は、多くの天然資源につき海外からの輸入に依存せざるを得ず、天然資源に対する輸出規制措置がWTO協定に整合しないとの国際ルールを形成していくことは極めて重要となる。

また、昨今、資源ナショナリズムを背景に、一部の資源国において、天然資源の輸出規制を導入する動きが見られ、こうした保護主義的行動を牽制する上でも、意義が大きいと捉えている。

上級委員会報告書は、8月29日に開催されるWTO紛争解決機関会合において正式に採択される見込み。日本は、中国が本報告書の勧告を早期に履行し、WTO協定に整合しないと認定された措置を速やかに是正することを求める。

経緯

中国は 1999年以降、重要戦略的資源であるレアアース、タングステン、モリブデンにつき順次輸出数量制限を導入するとともに、2006年以降輸出税を賦課している。中国は、2006年以降輸出割当数量を年々削減し、特に、2010年下半期の輸出割当を大幅に削減し、市場に混乱をもたらした。こうした事態を受け、日本は、米国及びEUとともに、2012年3月、中国による輸出数量制限、輸出税の賦課等の輸出規制は、WTO協定に違反するものとして、WTO協定に基づく協議要請を行った。

しかし、中国との協議で満足できる解決が得られなかったことから、日本は米国及びEUとともに、2012年6月、準司法的手続であるWTO紛争処理委員会(パネル)の設置を要請し、これを受け、2012年7月にパネルが設置され、2013年2月及び6月にパネル会合(口頭弁論)が開催された。

パネルは、2014年3月26日、報告書を公表し、中国の輸出規制について、GATT(関税及び貿易に関する一般協定)第11条1項(輸出数量制限の禁止)及び中国のWTO加盟議定書第11条3 項(輸出税の禁止)等に違反するとの我が国の主張を全面的に認める判断を示した。

このパネル報告書に関し、2014年4月17日、中国はパネルの判断を不服として米国の事案について、同月24日、日本及びEUの事案について上訴(WTO上級委員会への申し立て)を行った。

その後、同年6月に上級委員会会合が開催され、このたび、上級委員会は中国のレアアース等原材料3品目に関する輸出規制措置に関する報告書を公表した。

【参考】
経済産業省 - 中国のレアアース等原材料3品目に関する輸出規制がWTO協定違反と確定しました

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