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CO2を化学品合成に使える新触媒発見 貴金属使わずコストも99%カット

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CO2を化学品合成に使える新触媒発見 貴金属使わずコストも99%カット

産業技術総合研究所は、分子状ニッケル化合物を用いてCO2(二酸化炭素)を資源化し、多種多様な化学品を合成するための基盤となる反応の触媒を開発したと発表した。触媒コストは従来の100分の1以下で、貴金属に代わる安価な触媒として、機能性アルコールなどの各種機能性化学品の合成プロセスへの応用と普及が期待される。

今回開発したニッケル錯体触媒の一例

今回、研究チームが開発したのは、CO2を化学原料として有用な一酸化炭素(CO)に変換する反応(逆水性ガスシフト反応)の触媒活性を持つニッケル錯体触媒。

従来、この反応の触媒にはルテニウムなどの貴金属が必須だったが、安価なニッケルを挟み込むように設計した分子(ピンサー型配位子)を用いて、非貴金属であるニッケルでも反応を進行させることに成功した。

COはCO2に比べて反応性が高く、多種多様な化学品の原料として用いられているが、高い毒性を持っている。既に産総研では、ルテニウム錯体を用いてCO2と水素からCOに変換し、その場で次の反応に用いることで、従来COを用いて合成していたプロセスをCO2で代替する技術を開発しているが、触媒コストの高さが普及を阻んでいた。

今回開発した技術により、貴金属を用いずに温和な条件でCO2をCOに変換できるようになった。ニッケルはルテニウムに比べてグラム単価が100分の1以下であるため、CO2からCOへの変換コストを大幅に低減できるとされている。

産総研では、今後、今回開発した触媒の反応機構を詳細に検討し、さらなる触媒性能の向上を図るとともに、新たな触媒機能の発現を目指す。また、本反応を応用し、CO2をCOと同等に利用することは、循環型資源の高度な利用法の一つとして期待される。

今後の展開

なお、この技術の詳細は、9月24~26日に広島大学東広島キャンパス(広島県東広島市)で開催される第114回触媒討論会で発表される。

近年の化学産業では、グリーン・サステナブル・ケミストリー(Green & Sustainable Chemistry,GSC)の理念に基づき、環境との共生を意識したものづくりが進展している。その一方で、反応性やコスト面での問題により、代替が進まないケースも少なくない。

COはその一例で、毒性ガスであるにもかかわらず、反応性が高く安価なため各種化学品の原料として用いられている。しかし、その毒性のため、自社で一酸化炭素利用プロセスを保有できる企業は限られている。

【参考】
産総研 - 分子状ニッケル化合物を用いて二酸化炭素を資源化

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