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泉南アスベスト訴訟、国側が敗訴 屋内での局所排気装置に責任

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最高裁判所は、9日、大阪府南部泉南地域におけるアスベスト(石綿)被害を巡る訴訟で、国の責任を認める判決を言い渡した。

本判決では、国の規制権限不行使について、国が1958年時点で、局所排気装置の設置を義務付けなかったことは国家賠償法1条1項の適用上違法であると認定して、国の責任を認めた。

本判決は、アスベスト被害について国の責任を認めた初めての最高裁判決である。アスベスト被害の原点である本訴訟における判決は、全国6カ所の建設アスベスト訴訟、尼崎クボタ訴訟等、国の責任を追及する訴訟に大きな影響を与えるとみられる。

大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団等は、本判決に対して声明を発表した。司法の頂点にある最高裁が、憲法と法令に則り、国民の生命・健康こそが至高の価値であることを確認し、国にはこれを最大限尊重して規制権限を行使する義務があることを明確に認めた意義は極めて大きいと評価する。一方で、本判決が、1971年以降の違法を認めなかったのは、その後も国の対策が不十分であり被害が発生拡大し続けたことを無視したものであり、不当と言わざるを得ないと述べている。

泉南地域では、100年間にわたって石綿原料から糸、布を作る石綿紡織工場が集中立地し、戦前は軍需を、戦後は経済成長を下支えしてきた。ところが、その陰で、石綿工場の労働者のみならず、家族ぐるみ、地域ぐるみでの深刻なアスベスト被害が発生していた。

国は、70年以上も前から、石綿紡織工場を対象とした自らの調査によって、深刻な被害実態を知悉しながら、アスベストの経済的有用性を最優先し、規制や対策を長期間にわたって怠った。この「国の怠慢」こそが、アスベスト被害をこれほどまで拡大した最大の原因であると指摘する。

また、泉南地域の被害救済はもとより、全国に広がったアスベスト被害について、国の責任の明確化と共に、被害救済のあり方や将来の被害防止対策の抜本的な見直しを迫るものとなる。さらには、本訴訟は国際的にも注目されており、現在もなおアスベストを使用しているアジアを中心とした国々への重要な警鐘となるとみている。

本訴訟の原告団・弁護団等は、本判決を受けて、国に対し、加害者として原告ら被害者に真摯に謝罪すること、また、最高裁判決を基準に、1陣、2陣訴訟の原告らに対して、一括して速やかに賠償金を支払うとともに、原告ら以外の泉南地域の被害者救済や残存アスベストの除去等に向けた協議など、泉南アスベスト被害の全面解決に誠意を持って応じることを求めた。

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