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BEMS導入ビルのデマンドレスポンス ネガワット取引は30円/kWhが指標?

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BEMS導入ビルのデマンドレスポンス ネガワット取引は30円/kWhが指標?

横浜市は、「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」の平成26年度夏季実証結果を発表した。

今夏の実証結果では、家庭部門ではピークカット効果14.9%を確認、ビル部門ではネガワット取引(電力需要削減量を供給力と見立てて行う取引)を導入した結果、電力削減目標の9割超の削減を達成した。

家庭部門の実証概要と効果

家庭部門では、HEMS(ヘムス)導入約4,200世帯のうち約3,500世帯を対象に、国内最大の省エネ行動実験を実施した。

この実験では、昨年度の消費電力データをもとに、新たな料金メニューに多くの方に加入(移行)してもらうため、誘導策とDRの節電効果を検証した。ピークカット効果は、勧誘だけの場合9.3%、勧誘+情報提供の場合11.2%、勧誘+情報提供+特典付与の場合14.9%となった。

実証参加者に意識調査を行ったところ、9割がHEMSの活用により節電意識が向上し、電力使用量が減ったと回答した。また、HEMS導入により「こまめに消灯するようになった」、「ドライヤーの使用時間が減少」など直接の行動が変化。8割がHEMSの収集データに基づいた最適な電気料金メニューの情報提供を希望した。電力小売り自由化後の電力会社の選択基準については、電気料金メニューを重視すると回答した。

結果として、一連の実証を通じて節電意識やデマンドレスポンス(DR)に対する認知度が向上し、節電行動の日常化や家族が同じ部屋で過ごす時間が増えるなどライフスタイルの変化が起きつつあること、電気料金メニューに対する関心が高いことが分かった。今後は、新たな電気料金メニューへの参加・不参加世帯や、DRに柔軟な対応ができる世帯の属性の違いなどを分析していく。

また、現在策定中の横浜市中期4か年計画や同計画の具体化を図るための「横浜市エネルギーアクションプラン」に、今回の実証結果を活かすとともに、HEMS活用やその効果など、より一層の情報発信を行う。

ビル部門の実証概要と効果

YSCP ネガワット取引(約定)の仕組みと流れ(イメージ)

YSCP ネガワット取引(約定)の仕組みと流れ(イメージ)
※画像をクリックすると拡大します。

ビル部門では、BEMS(ベムス)を備えた全29拠点のうち、削減量の確実性向上をテーマにした実証を10拠点で実施した。

24年度冬季、25年度夏季・冬季の3季の実証により、電力のピークカットの最大化は目標達成した一方で、DRの実施ごとに削減量のばらつきが見られるため、25年度冬季の実証からネガワット取引を導入。複数のビルで削減目標を設定し、達成できるかを検証した。

その結果、DRを実施する電力会社等が必要とする削減量をもとに、各拠点が個々に削減目標を定め応札し、7日間でDRを実施した結果、削減目標に対して拠点ごとの平均で9割超の削減を達成した。

また、ネガワット取引を導入することで、DRによる削減目標達成に必要なインセンティブ価格として約30円/kWhが指標となることが確認できた。ただし、今回の実証では、拠点の構造や設備機器、入居者や来場者の違い、急激な気温の変動などから、削減目標に対する削減量の調整に苦慮したケースがあった。今回の実証結果は、今後、横浜市のエネルギー政策の取組に活かしていく。


横浜市は、平成22年から経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定されたプロジェクトとして、東芝など民間企業との公民連携によりYSCPを推進している。

【参考】
横浜市 - 横浜スマートシティプロジェクト(YSCP) 26年度夏季実証結果(速報)

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