> > アジアで修理する世界の使用済み電気・電子機器 不法輸出の境界線はどこに

アジアで修理する世界の使用済み電気・電子機器 不法輸出の境界線はどこに

記事を保存

環境省は、先月岡山県で行われた「有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップ」の結果、バーゼル条約下における使用済み電気・電子機器の輸出に関して、不法取引と区別するための要件の明確化と適切な管理が必要との認識が共有されたと発表した。

アジアでは、近年、バーゼル条約の規制対象となる電気・電気電子機器廃棄物(e-waste)等の輸出入量の増加が著しく、同条約に違反する不法な取引事例も多く報告されている。同ワークショップにおいては、参加国間で有害廃棄物の輸出入に係る各国の規制状況及び不法取引対策並びにアジア地域における適切な資源循環の確保や不法取引の未然防止のため経験や課題を共有するとともに、さらなる地域内での連携について活発な議論が行われた。

この中で、バーゼル条約下で議論されている使用済み電気・電子機器の輸出入に関するガイドライン案について、アジア地域に世界各国から集められた使用済み電気・電子機器の集中的な修理等を行う施設が存在することを踏まえ、これらの機器の輸出については不法取引とは明確に区別されるべきであり、そのためには輸出時および修理時等に際してこの区別を行うための要件の明確化と適切な管理が行われることが必要であるとの認識が共有された。

今回の結果は、来年5月に開催予定のバーゼル条約締約国会議において日本として発信することとしている。なお、バーゼル条約は、有害廃棄物の輸出時の許可制や事前通告制、不適正な輸出や処分行為が行われた場合の再輸入の義務などを規定した国際条約。日本は1993年に加入した。

議題と議論の内容は以下の通り。

アジア各国における有害廃棄物等の輸出入に係る規制状況および越境移動実績のアップデート

アジア地域において有害廃棄物等の定義の明確化、廃棄物の処理および輸出入管理に係る法整備に大きな進展があったことが認識された。また、輸出入規制の対象となる廃棄物の定義や制度は国によって異なることから、円滑な輸出入の実施や不法輸出入の防止のためには、同ワークショップ等の機会を通じて各国官で相互理解を深めることの重要性が確認された。

アジア地域における有害廃棄物の環境上適正な管理と越境移動の関係

参加者からは、アジア各国国内における有害廃棄物の適正処理に関しては、規制、技術、知識等が不足していることが課題であり、特に、価値が低く処理困難な廃棄物については、回収やリサイクルを行う経済的なインセンティブが働きにくいという課題があることが指摘された。また、同ワークショップ等の機会を活用し、共通の課題や解決方法の共有などを進めていくことの必要性が確認された。

有害廃棄物の輸出入に係る水際対策強化と不法取引された貨物の引き取り

議論の結果、事案発生時には、貨物の内容、責任者等を特定することが特に困難であることから、当事国の権限ある当局間で情報共有や協議を行うことが特に重要であること、貨物引き取り方法の決定、そのための具体的な手続き等については、当事国の間で最も適切な解決方法を模索すべきであることが認識された。

使用済み電気・電子機器の環境上適正な修理・改修について

来年5月に開催予定のバーゼル条約第12回締約国会議の主要議題となる見込みである「廃棄物と非廃棄物の識別に関する、電気・電子機器廃棄物(e-waste)及び使用済み電気・電子機器の越境移動に関する技術ガイドライン案」の概要などについて紹介された。議論の結果、こうした越境移動は資源の有効利用に資するものであり不法取引と明確に区別される必要があること、また、不法取引との区別のためには、輸出者によって修理等を目的としていることが証明されることや適切な梱包等の適切な管理が行われることが重要であるとの認識が共有された。

施設見学

アジア地域も含めた海外から廃電子基板等の有害廃棄物を資源として受け入れ、銅、金、銀をはじめとした非鉄金属を回収している、香川県直島町の三菱マテリアル直島製錬所のリサイクル施設を見学した。参加者は、バーゼル条約の手続きを経て日本に輸入された有害廃棄物がわが国の高度な技術や環境対策の下で、適切にリサイクルされていることについて理解を深めた。

【参考】
環境省 - 有害廃棄物の不法輸出入防止に関する アジアネットワークワークショップの結果

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.