> > 東北大学など、光エネルギーを電流に変換する新しい原理を発見

東北大学など、光エネルギーを電流に変換する新しい原理を発見

記事を保存
東北大学など、光エネルギーを電流に変換する新しい原理を発見

東北大学は日本原子力研究開発機構と共同で、特定の金属微粒子を含む磁石に可視光を照射することで、スピン(磁気)の流れを生成できる新しい原理を実証した。これまでに、半導体における光エネルギーからスピン流への変換は実証されていたが、絶縁体への光照射によるスピン流生成原理は実証されていなかった。

今回、同研究グループは、特定の金属微粒子への光照射で誘起される「表面プラズモン」と呼ばれる電子の集団運動を、磁石の中で発生させ、光のエネルギーをスピン流に変換することに世界で初めて成功した。また、これまでにスピン流を電流に変換する技術も確立しており、光のエネルギーから電流を生成する新しいエネルギー変換原理が創出されたことになる。

今回実証した原理を実用化するには、大幅な効率向上が必要だが、スピン流の駆動力として利用可能なエネルギー源の選択肢が増えることは、単一デバイスにおいて光、熱、音波、電磁波など多様なエネルギー源が同時に利用できるということで、将来的には分散型発電技術、充電や燃料補給なしで長期間エネルギー供給が可能な電源の駆動源としての応用につながる可能性がある。

同大学の内田准教授らは2008年に磁性体に温度差をつけることによりスピン流が生じる現象「スピンゼーベック効果」を世界に先駆け発見し、その後、この現象が金属や半導体のみならず絶縁体でも発現することを発見、従来は利用できなかった絶縁体中の熱からもスピン流を取り出し、発電できる原理を発表した。

さらに、2011年には、スピンゼーベック効果と同様の素子構造で音波からもスピン流を生成できることがわかった。これらの成果により、スピン流をエネルギー変換や発電技術に利用するという新しい概念が生まれ、世界中でスピン流の生成、検出、制御技術に関する研究が進められている。

スピン流を用いたエネルギー変換のメリットは、シンプルな薄膜構造ゆえにデバイスの設計自由度が高いこと、デバイスの基板でしかなかった絶縁体が利用可能となること
、さまざまなエネルギー源が単一デバイス構造において同時利用できることなどで、特にスピンゼーベック効果を用いた熱電変換技術が注目を集めている。

同研究は、JST戦略的創造研究推進事業として、東北大学(金属材料研究所)の齊藤教授と、日本原子力研究開発機構(先端基礎研究センター)の前川センター長、安立副主任研究員らが共同で実施した。同研究成果は、2015年1月8日発行の英国科学誌「Nature Communications」において公開されている。

【参考】
東北大学 - 絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.