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「都市ガスの全面自由化」 政府の報告書が公表、熱供給システムも改革へ

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経済産業省は、21日、ガスシステム改革小委員会において審議してきた、ガスシステム改革および熱供給システム改革の方向性について、報告書に取りまとめ公表した。

ガスシステム改革は、競争の活性化を通じ需要家に多様な選択肢を提示し、低廉な料金を実現することを目的としている。本報告書では、2017年をめどに、家庭を含めた都市ガスの小売りを全面自由化することが適当であるとし、新たなガスシステムの在り方や改革の進め方等についてまとめている。

電力システム改革では、2016年に電力小売りの全面自由化が予定されている。電力システム改革と時期を違わずガスシステム改革を進めることは、相互参入の促進による需要家や事業者の選択肢拡大という観点からも望ましいとされている。

電力・ガスシステム改革等を通じて、産業ごとに存在していたエネルギー市場の垣根を取り払うことで、既存のエネルギー事業者の相互参入や異業種からの新規参入を促すことができる。これにより、エネルギー市場における競争の活性化とエネルギー産業の効率化を促進し、地域に新たな産業を創出するなど、地域活性化へ貢献を目指す。

ガスシステム改革の進め方

小売全面自由化の実施に当たって、需要家保安に係る費用回収を考慮した新たな託送料金制度を設計し、それに基づき事業者が料金を申請し認可を受ける必要があるなど、前提となる環境整備が不可欠となる。

加えて、一般家庭等の小口部門においても新規参入を可能とするためには、例えば、新規参入者の存在を前提とした需要家情報システムを新たに構築する必要があるなど、ガス事業者においても相当程度の環境整備を要する。こうした競争上最低限必要な環境整備については、小売全面自由化の実施までに手当てされる必要があるため、それに要する期間を考慮して、実施時期を2017年を目途とすることが適当だとした。

ガスシステム改革の目的を可能な限り早期に達成する観点から、地域間で施行時期に差をつけず、全国一律での施行を目指す。また、地域により小売の競争状況に差があることを踏まえ、需要家利益を保護する観点から、料金の経過措置を設けること等を明記している。

導管部門の更なる中立性確保の在り方

ガスシステム改革では、ガス小売事業に参入する誰もが公平かつ透明性の高い条件の下で導管網を利用できる環境整備も求められる。導管部門の中立性確保策としては、諸外国のガス事業の事例や日本の電気事業の事例、日本のガス導管網の整備状況等を踏まえ、「会計分離」「機能分離」「法的分離」「所有権分離」の4つの方式が示された。

導管利用の公平性及び利便性向上を図る目的で、大手ガス事業者3社から「新たな同時同量方式の導入」、自社小売部門及び新規参入者からの供給検討依頼についての受付窓口を一本化した「託送供給検討受付センター(仮称)の開設:平成27年4月予定」等について、実施時期を示しつつ自主的な提案がなされている。これらの項目については、制度見直しを待つことなく、早急な実現を図るべきであるとしている。

熱供給システム改革の方向性について

ガスは、空調や給湯などの熱エネルギー源であり、先行している電力・ガスシステム改革と併せ、熱供給システム改革を進めていくことが求められている。

このため、昨年9月、小委員会において、熱供給システム改革について検討を開始した。なお、保安規制については、ガス安全小委員会の場での検討に委ねることとした。

本報告書では、熱供給システム改革に向けた、「自然独占性に着目した規制の見直しの方向性」「熱供給事業者に対する需要家保護規制の在り方」などの論点を整理。販売熱量の95%を占める業務系は、既に自由化されている電気・ガスの大口供給の対象である需要家が多く、電気・ガスについては色々と協議ができているにもかかわらず、熱についてはその余地が全くないというのが現状となっている。

これらの議論等を踏まえて、現行制度における料金規制及び供給義務は、需要家保護措置を講ずることを前提に、廃止することが適当であるとしている。

熱供給システム改革について、半年強の準備期間を想定し、2016年を目途に実施することとし、併せて、需要家保護等に万全を期すため、電気事業及び都市ガス事業と同様に、規制組織の独立性と専門性の向上(新たな規制組織への移行)を図ることが適当であるとまとめている。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会

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