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今冬の電力需給、原発ナシで予備率4%以上を確保 全国でさらに節電進む

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今冬の電力需給、原発ナシで予備率4%以上を確保 全国でさらに節電進む

経済産業省は、3日に電力需給検証小委員会を開催し、2014年度冬季の需給と2015年度夏季の需給見通しについて検証する議論を開始した。

本委員会は4月に3回開催し報告書を取りまとめる。その内容を踏まえて、政府が「2015年度夏季需給対策」を決定する。また、本委員会では、中長期的視点からもより安定した電力需給に資する課題として地域間連系線増強について、周波数変換装置(FC)300万kW増強の議論に着手した。

今回の委員会では、2014年度冬季の需給状況等と地域間連系線の増強の必要性について検討した。

2014年度冬季の需給検証について

今冬、原子力発電は稼働していなかったが、いずれの電力管内でも電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上となる予備率4%以上を確保した。需給面でみると、北海道・東北・東京・関西・中国・九州電力の6電力管内において、想定した定着節電以上の需要減となった。

一方、北陸電力・中国電力・四国電力管内においては、2014年度冬季の需要実績が見通しを上回った。その要因として、中部電力および四国電力は、ピーク時間帯の気温が想定より下回ったこと、あるいは、急激な冷え込みにより暖房需要が増したことによる需要増の影響、北陸電力は予期せぬ時期の大雪で、点灯時間帯の暖房需要と融雪需要が重なった影響で需要が急伸したため、想定を上回った。ほか、需要家による見込みを上回る生産の増、需要家の自家発の稼動停止、想定していたよりも需要家が離脱しなかったことなどをあげる。

供給面でみると、今冬の大需要発生日時における太陽光発電の供給実績は、想定どおり、日中に最大需要が発生した中部電力の138.8万kWのみとなった。風力発電のピーク時供給力は、風況に恵まれたことにより、想定を上回った。

中部電力だけは最大需要日の電力ピークが昼間であったため、太陽光発電の電力が最大需要日の供給力として貢献した。

中部電力だけは最大需要日の電力ピークが昼間であったため、太陽光発電の電力が最大需要日の供給力として貢献した。
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今冬は沖縄電力管内を除くすべての地域に「数値目標を伴わない」節電の協力を要請した。また、北海道電力に対して、冬季の北海道の特殊性を踏まえ、計画停電を含む停電を回避するため、「計画停電回避緊急調整プログラム(予備率が1%を下回ることが予想される場合に、需要家に大幅に電力の使用を控えてもらう契約)」の実施を要請した。北海道電力では、本プログラムに、当初の目標18万kWを上回る約21万kWの加入があった。

地域間連系線の増強について

地域間連系線の増強は、安定した電力需給確保の観点からも重要なテーマとなる。これまでの需給検証に当たっても、地域間連系線の活用による電力会社間の電力融通を加味して検証してきた経緯がある。

2012年4月にとりまとめられた審議会報告(地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会)において、周波数変換装置(FC)は現行120万kWから300万kWまで、北本連系線は現行60万kWから90万kWまでの増強について提言されている。

北本連系線の90万kWへの増強については、昨年4月に北海道電力が着工したが、FCについては、新信濃FCでの210万kWへの増強実施が決定されているものの、300万kWへの増強については実施決定に至っていない状態にある。

送電網の現状と連系線の強化

こうした中で、昨夏は、初めて、FCを利用したいわゆる東西融通60万kWを前提とした需給バランスを作成。この際、FC容量が現状120万kWと比較的少量であることから、仮に中西日本で大規模な電源脱落が発生した場合の東日本からの融通可能量が半分に低下するとして特段の電力需給対を併せて講じたところである。

これらを踏まえ、本委員会において、特に安定的な電力需給確保の観点から、FC300万kW増強の議論を行うべきとの意見が事務局より提示された。本委員会で、早期のFCの300万kWへの増強実施のため、その必要性を再確認した上で、ルート選定等の具体的な方向性を検討し、その結果を踏まえ、広域的運営推進機関に対し、技術的検討を経て整備計画策定プロセスを実施するよう要請する。

今回は300万kW増強の必要性の再確認や、ESCJ(電力系統利用協議会)におけるルート案の確認を行った。次回、ルート案等実施に向けた方向性の確認や、広域的運営推進機関への要請について議論する。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力需給検証小委員会(第9回)

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