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世界最大級の超電導フライホイール蓄電システム 実証機が完成、テスト開始

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世界最大級の超電導フライホイール蓄電システム 実証機が完成、テスト開始

JRグループの研究機関、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)などは15日、次世代の大容量蓄電システムとして開発を進めてきた、世界最大級の「超電導フライホイール蓄電システム」の実証機が完成し、試運転を開始したと発表した。

今回完成した実証機は出力300kW、蓄電容量100kWhで、内蔵したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製の大型の円盤「フライホイール」(重量4トン、直径2m)を、最高6,000回転/分で超電導磁気軸受により回転支持することで電力を蓄電するシステム。超電導磁気軸受を用いたフライホイール蓄電システムとしては世界最大級。また、本システムの超電導磁気軸受は、世界で初めて回転軸側と軸受側双方に超電導材を使用しており、コンパクトサイズで大荷重を支えることを可能とした。

本システムは、今後、基本特性の確認・調整を行った後、今夏には山梨県が運営する米倉山大規模太陽電池発電所に移設し、太陽電池発電および東京電力の系統に接続して変動の大きい再生可能エネルギーの安定導入に向けた実証試験を開始する予定。

実証機の外観

実証機の外観

「フライホイール蓄電システム」とは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を回転させることによって電力を運動エネルギーとして貯蔵し、必要に応じて回転力を再び電力に変換するシステム。劣化のない「蓄電池」として用途は幅広く、例えば、太陽光風力等の不安定な発電システムと組み合わせて電力系統を安定化させるといった用途や、電気鉄道の回生失効対策などにも応用が可能。

本開発は、鉄道総研がクボテック(大阪府大阪市)、古河電気工業、ミラプロ(山梨県北杜市)、山梨県企業局と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発-次世代フライホイール蓄電システムの開発-」助成事業として実施してきた。

大荷重を支持できる超電導磁気軸受

大荷重を支持できる超電導磁気軸受

本システムは、鉄道総研の考案した高温超電導コイルと高温超電導バルク体で構成される「超電導磁気軸受」によってフライホイールを非接触で浮上させているため、大型のフライホイールを使用しても損失が少なく、長期間の安定した運用が可能な実効性の高いシステムとなっている。

また、CFRP製フライホイールでは、クボテックが炭素繊維の織り方を工夫することで高強度、高信頼性を実現し、直径2mの大径化に成功した。従来提案されてきたCFRP製フライホイールは、高強度を得る製造方法やコストの面で直径1m前後が限界だった。

フライホイール蓄電システムは、「より大きく」「より重い」フライホイールを「より高速で回転」するほど、大きなエネルギーを蓄えることができる。本システムでは、各社の技術開発により、大径で重いフライホイールを高速かつ低損失で回転させることを可能にした。

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