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政府はこうみる! 2030年の太陽光・風力発電コストはここまで下がる

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経済産業省は16日、将来のエネルギーミックス(電源構成)の議論の参考とするため、各電源の発電コストの試算を行う有識者会議、発電コスト検証ワーキンググループ(WG)の第5回会合を開催した。

今回の委員会の議題は「これまでの議論における論点等」。事務局より「太陽光発電・風力発電のコスト低減等の考え方(案)」/「火力発電コストの燃料価格についての感度分析」/自然変動電源の導入に伴い、需給調整運用を要求される火力発電・揚水発電の課題等を示した「火力発電・揚水発電関係のご指摘事項について」/「CCSの動向」/「追加的安全対策費用」と「事故リスク対応費用」の考え方を整理した「原子力発電」などの資料が提示された。

「太陽光発電・風力発電のコスト低減等の考え方(案)」では、太陽光風力発電の設備導入コストは、将来的に国際価格にまとめて(収斂)考えることができ、そうすれば低減できるという考え方を示している。資料の概要は以下のとおり。

太陽光発電・風力発電のコスト低減等の考え方(案)

太陽光発電コスト低減の考え方

日本における太陽光発電のコストは諸外国に比べて高いが、太陽光発電モジュールやインバータ等は長期的にみれば、国際価格に収斂するのではないかとの指摘あった。国際価格に収斂するかどうかは(1)市場の競争状況、(2)国内市場における海外生産比率、(3)再生可能エネルギー事業者の嗜好等の動向によるため、今後の経過を注視していく必要があるとしている。

IEAの調査をもとに日本を除く各国の設備導入コスト(2013年)を平均して、太陽光発電の設備導入コストの国際的な水準を求めると、住宅用31.8万円/kW、非住宅20.5万円/kWであり、第2回会合にて示した日本の設備導入コスト(住宅用36.4万円/kW、非住宅29.4万円/kW)よりも低かった。

日本における太陽光発電の設備導入コストについて、モジュールやインバータ等の量産効果等によるコスト低減が見込まれる部分のコストについては、学習曲線に従って低減していくだけでなく、2030年にかけて徐々に国際的な水準(それ自体も学習曲線にしたがって低減すると仮定)に収斂すると想定。

日本における太陽光発電の設備導入コストについて、太陽光発電モジュールやインバータ等の費用が国際的な水準に収斂するケースの試算結果は、2030年時点で16.6~22.0万円/kW(住宅用)、15.8~19.4万円/kW(非住宅)となった。

住宅用 モジュール・インバータ等の費用の推移 (WEO新政策シナリオの例)

住宅用 モジュール・インバータ等の費用の推移(WEO新政策シナリオの例)

住宅用 各シナリオにおける設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)

住宅用 各シナリオにおける設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)

非住宅用 モジュール・インバータ等の費用の推移(WEO新政策シナリオの例)

非住宅用 モジュール・インバータ等の費用の推移 (WEO新政策シナリオの例)

非住宅用 各シナリオにおける設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)

非住宅用 各シナリオにおける設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)

※注 国内の太陽光発電システム価格に占めるモジュール・インバータ等の割合は、住宅用太陽光(新築)、メガソーラーそれぞれ84%,71%(2013年度)として推計 (平成25年度新エネルギー等導入促進基礎調査(太陽光発電システム等の普及動向に関する調査)より)

太陽光発電パネル対パワーコンディショナーの容量の比率と設備利用率について

パネル対パワーコンディショナーの比率の最適点は、今後の見通しを示すことが困難であることから、発電コストの検証にあたっては、将来のモデルプラントについても現在調達価格等算定委員会にて想定されている比率から大幅な変化はないと仮定する方向性が示されている。

風力発電のコスト低減の考え方

陸上風力発電についても、タービンや電気設備等の量産効果が見込まれる部分の費用については、国際価格に収斂する仮定は成り立つ。日本国内の市場では、風力発電機について、海外機の導入量は増加しており、市場の成熟に応じて国際価格に収斂していく可能性は考えられる。

他方、日本国内のタービン価格については、現時点の傾向だけ見れば、必ずしも国際価格に収斂する蓋然性が高いとまでは言えないが、2030年にかけて徐々に国際的な水準に収斂するケースを考えてはどうか。

日本における陸上風力発電の設備導入コストについて、タービンや電気設備等の費用が国際的な水準に収斂するケースの試算結果は、2030年において22.0万円/kW(タービン・電気設備等15.1+基礎・系統連系・土地等6.9万円/kW)となった。なお、第2回会合にて示した設備導入コストは2030年時点で26.8~30.0万円/kW。

タービン・電気設備等の国際価格への収斂(万円/kW)

タービン・電気設備等の国際価格への収斂(万円/kW)

設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)(万円/kW)

設備導入コスト(国際価格に収斂する場合)(万円/kW)

※注 基礎・系統連系・土地・道路敷設等については、コスト一定と仮定した。

風力の大型化と設備利用率の関係について

風車の大型化と設備利用率の向上は必ずしも一体的に進まない場合があることには留意が必要であるが、日本においては、2020年以降に導入される風力発電について設備利用率が23%まで向上すると見込む案が盛り込まれている。

【参考】
資源エネルギー庁 - 総合資源エネルギー調査会 発電コスト検証ワーキンググループ(第5回)

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