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2030年の発電コスト、再試算 原子力は微増、地熱発電は減少

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2030年の発電コスト、再試算 原子力は微増、地熱発電は減少

経済産業省は5日に開催した発電コスト検証ワーキンググループ(WG)の第7回会合で、2030年モデルプラントにおける各電源の発電コスト等について、再検討を行った報告をとりまとめた。

2030年の発電コストについて、原子力は事故リスク対応費用を4月に示した案より0.2円上乗せし、10.3円/kWh~(政策経費を除いた場合8.8円/kWh~)とした。それでも原子力の発電コストが最も安い。

その他、地熱風力については政策経費を見直し、地熱は前回案より2.4円安い16.8円/kWh(同10.9円/kWh)、陸上風力は0.3~0.4円安い13.6~21.5円/kWh(同9.8~15.6円/kWh)、洋上風力については1.6円高い30.3~34.7円/kWh(同20.2~23.2円/kWh)と試算している。

太陽光(メガ)は12.7~15.6円/kWh(同11.0~13.4円/kWh)、住宅用太陽光は12.5~16.4kWh(同12.3~16.2円/kWh)、小水力発電(80万円/kWの場合)は23.3円/kWh(同20.4円/kWh)、バイオマス(混焼)は13.2円/kWh(同12.9円/kWh)。太陽光(メガ)は上限値が0.1円、バイオマス(混焼)は0.1円安くなっている。

本WGでは、長期エネルギー需給見通し小委員会におけるエネルギーミックス(電源構成)の議論の参考とするため、各電源の発電コストの試算等を行ってきた。2030年の発電コスト試算結果等は、同委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告としてまとめられる。

2010年と2014年のモデルプラント諸元を比較

今回の報告では、2010年と2014年モデルプラントの発電コストを試算した結果について、諸元を比較した資料を追加した。2010年と2014年の発電コストを比べると、原子力、石炭、LNGは、資本費、追加的安全対策費等すべての諸元においてコストが上昇し、発電コストも上昇。洋上風力は政策経費が発電コストを押し上げている。太陽光(メガ)と住宅太陽光は、資本費、運転維持費とも低減し、政策経費を含めても、発電コストの低減を実現している。

また原子力、石炭、LNGについて、2014年モデルプラントにおいて、設備利用率70%から80%になると、発電コストが低減するという試算結果の比較も示した。

発電設備の能力(kW価値)の重要性が増加

今回のコスト検証の目的及び考え方についてまとめた事項で、新たに下記のことを付記している。

本WGでは、発電に関する単位当たりのコストを円/kWhで試算しているが、自然変動電源(太陽光、風力)の導入拡大に伴い、電力の安定供給を確保するために必要となる系統安定化費用を試算している。発電設備の能力(kW価値)の重要性が増してきていることに留意することが必要となる。

発電コスト試算の考え方等を参考資料で提示

発電コスト等の検証に関する報告の参考資料では、発電コストを試算するに当たっての考え方や根拠についてまとめている。

再生可能エネルギーについては、太陽光と風力について、2011年のコスト検証等との比較や、太陽光で論点となった「パネル対パワーコンディショナーの容量の比率と設備利用率」や将来モデルプラントの廃棄費用・稼働年数等についての考え方を紹介。

原子力については、具体的な追加的安全対策や事故リスク対応費用等について示している。

また自然変動電源大量導入に当たって、需給バランスを維持して周波数を安定化させるために、火力発電設備に頻繁な起動停止・低出力帯での運用・急激な出力変化運用が要求されることが予想されている。こうした状況を見据えた、火力発電プラントについて設備性能の目標を定めた状況改善などを行う必要性等についても言及している。

【参考】
資源エネルギー庁 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会 発電コスト検証ワーキンググループ(第7回)

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