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自動車業界で導入進むセルロースナノファイバー(CNF) 製造工程の省エネ化も

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環境省は、セルロースナノファイバー(CNF)製品の「製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務」と「性能評価事業委託業務」の採択結果を発表した。

「セルロースナノファイバー製品製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務」では、CNF複合樹脂製品の製品製造工程についてCO2排出量を評価するとともに、製品製造工程のCO2削減対策の立案を実施する委託事業者の公募を行い、プラスチック、透明樹脂、ゴムなどをテーマとした製品製造工程の低炭素化対策に関わる提案3件を採択した。

「セルロースナノファイバー活用製品の性能評価事業委託業務」では、将来的な地球温暖化対策につながり、エネルギー起源CO2削減が期待できる自動車軽量化に重点を置き、自動車を構成する2~3万の部品の中から、2~3年で実現でき、CNFの特性を活かした用途(部材や部品)を提案し、CNF活用製品の性能評価や活用時のCO2削減効果の検証を実施する委託事業者の公募を行い、内装材、機能部品、バッテリーについて、CNFの特性を活かした提案4件を採択した。

各業務の代表事業者と提案内容は以下の通り。

セルロースナノファイバー製品製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務

1. パナソニック(大阪府門真市)

プラスチック製品の製造工程について、セルロース原料を樹脂に練り込みながらナノ化レベルに繊維をほぐすことでCNF複合樹脂を製造する段階でのCO2排出量を評価するとともに、CNF複合樹脂を部材・製品へと成形し、各段階でのCO2排出量を評価し、その削減対策の立案を行う。

2. 愛媛大学(愛媛県松山市)紙産業イノベーションセンター

透明樹脂製品の製造工程において、独自のCNF脱水プロセスにより乾燥工程でのCO2排出量の削減を図るとともに、CNF複合透明樹脂を用いた部材・製品を成形し、各製造工程でのCO2排出量の評価に基づいた低炭素化対策の立案を行う。

3. 大王製紙(東京都中央区)

ゴム製品の製造工程について、液体のCNF素材をゴムと混練する際に必要となる乾燥エネルギーを乾燥方法の見直しにより低減することでCO2排出量を削減するとともに、CNF複合ゴムを製造し、部材・製品を成形し、各段階でのCO2排出量を評価し、その削減対策の立案を行う。

セルロースナノファイバー活用製品の性能評価事業委託業務

1. トクラス(静岡県浜松市)

主にインパネ周辺の内装材について、間伐材から発生する木粉などバイオマスフィラーを添加したウッドプラスチック(WPC)にCNFを添加材利用することで補強し軽量な製品を製造し、CNF活用製品の性能評価を行う。また、インパネ周辺部材の軽量化による自動車の燃費向上効果やCO2削減効果の検証を行う。

2. トヨタ車体(愛知県刈谷市)

自動車用金属部品の樹脂代替を狙い、高強度かつ低比重なCNF複合樹脂を用いて自動車部品の試作と性能評価を行う。また、金属部材の樹脂化で達成された軽量化効果により、自動車の燃費向上およびCO2削減の効果検証を行う。

3. 九州大学(福岡県福岡市)大学院農学研究院

ドアパネルの内側や天井パネルとなる内装材について、九州産の竹を利用し「水中カウンターコリジョン(ACC)法」による竹由来CNFから丈夫で軽量な樹脂素材を製造するとともに、竹CNF活用樹脂の性能評価を行う。また、竹CNF活用樹脂を活用したドアパネルや天井パネル内装の軽量化に伴う燃費向上の効果やCO2削減効果の検証を行う。

4. 第一工業製薬(京都市下京区)

自動車用バッテリーについて、従来の鉛二次電池の代替となる軽量かつ小型のCNF活用リチウムイオン二次電池を製造するとともに、CNF活用リチウムイオン二次電池の性能評価を行う。また、CNFを活用したバッテリーの軽量化に伴う燃費向上効果やCO2削減効果の検証を行う。


CNFは、様々な製品などの基盤となる素材にまで立ち返り、自動車部材の軽量化・燃費改善による地球温暖化対策への多大なる貢献が期待できる次世代素材。環境省では、メーカーなどと連携し、製品など活用時の削減効果検証、製造プロセスの高効率化検証、リサイクル時の課題・解決策検討、早期社会実装のための戦略の策定などを実施している。

【参考】
環境省 - 平成27年度セルロースナノファイバー製品製造工程の低炭素化対策の立案事業委託業務に係る公募の採択結果
環境省 - 平成27年度セルロースナノファイバー活用製品の性能評価事業委託業務に係る公募の採択結果

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