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電気を100%、光に変換できうる夢の素材 京大・九大がさらに高性能化

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京都大学化学研究所は、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターと共同で、変換効率100%で電気を光に変換できる可能性のある、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)材料の高性能化に成功したと発表した。

有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、電気を光に変える素子で、次世代のディスプレイや照明への応用が期待されている。今回開発された新材料は、実際に得られた最大の電気→光変換効率は100%、デバイス内部で生じた光を外部に取り出す割合である外部量子効率は29.6%になった。さらに、簡単なマイクロレンズからなる光取り出しシートを用いた結果、最大で41.5%という極めて高い外部量子効率が得られた。

これまで、従来の蛍光発光型のデバイスでは、デバイスに電気を流して光に変換される励起子(電子と正孔のペア)は25%しかなかった。また、デバイスの中で生じた光のうち70~80%はデバイスの中に閉じ込められてしまい、デバイス外部に取り出せる光は20~30%にとどまっていた。すなわち、電気から外部に取り出せる光への変換効率(外部量子効率)は、最大でも5-7.5%であった。

しかも、今回使用した素材は、これまでの素材と違い、レアメタル・レアアースなどを使用しない。新たに開発された材料DACT−IIの特長は下記の通り。

  1. 量子化学計算に基づく精密な分子設計により、両立が困難であった、小さなデルタESTと一重項励起子からの迅速な光変換が可能。耐熱性にも優れており、広い温度範囲、輝度範囲において、高い発光特性が発揮される。
  2. 炭素、水素、窒素からのみ構成され、イリジウム・プラチナなどの希少で高価な元素を用いない。この特長は、安価であること以上に、限られた条件の資源で開発を進めるうえ、極めて重要である。
  3. 有機ELからの発光に関し、望ましい分子配向特性を有する。
  4. 高効率で電気を光に変換できる分子の設計指針が得られたことから、今後、異なる発光色などを含め、多様な分子の開発が可能となる。
研究俯瞰図

研究俯瞰図

同研究グループは、この材料の産業上の優位性をふまえ、さらなる特性改善を進めて行く方針だ。なお、この成果は2015年10月19日に国際学術雑誌『NatureCommunications』のオンライン版で公開された。

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