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自動車リサイクル制度、今後どうあるべきか 政府の検討委員会の提言まとめ

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環境省は、自動車リサイクル制度について審議を行う産業構造審議会・中央環境審議会の合同会議から環境大臣に対し、同制度の施行状況の評価・検討、また今後の「あるべき姿」について提言(意見具申)があったと発表した。

自動車リサイクル制度評価・検討についての意見具申の概要

同意見具申では、「自動車リサイクル制度の現状と評価」や「同制度の『あるべき姿』とその実現に向けた基本的方向性」、「課題と具体的取組」について取りまとめられた。

以下は、その概要である。

自動車リサイクル制度の現状と評価

2014年度末時点において、我が国の自動車保有台数は約8,027万台、2014年度における新車販売台数は530万台と、法制定以来、自動車の保有・販売は一定の規模で推移している。

使用済自動車のリサイクルについては、制度開始以後、累計約3200万台発生し、関連事業者によりリサイクルされている。約97.1%がマテリアルリサイクルまたは熱回収されており、使用済自動車全体では約99%がリサイクルされていると推計される。また、ASR(自動車破砕残さ)の最終処分量も大幅に減少している。2013年度は、自動車製造業者等に引き渡されたASR(590,624 トン)のうち、72.4%が熱回収として、24.3%がマテリアルリサイクルとして有効利用されている。

自動車リサイクル制度の「あるべき姿」とその実現に向けた基本的方向性

自動車リサイクル制度全体のあるべき姿として、使用済自動車のリデュース・リユース・リサイクルを推進し、資源の有効利用が行われることが望ましい。また、リユース・リサイクルに関する社会コストが最小化され、自動車の不法投棄の恐れがないシステムを実現していくことが求められている。

現在は、処理に費用を要する3品目(フロン類、エアバッグ類、ASR)について、既存の処理ルートから分離して、そのリサイクル料金をユーザーが負担しているため、今後は関連事業者が適正な処理を行った上で再資源化することで、使用済自動車が概ね有価で流通し、従来の市場によるリサイクルシステムが機能する状況を創出することを目指し、使用済自動車やリサイクル料金の流れを管理する自動車リサイクルシステムを構築する。

自動車リサイクル制度の「あるべき姿」の実現に向けた課題と具体的取組

使用済自動車の解体・破砕段階のリユース拡大やリサイクルの質の向上を持続的かつ自律的に進めるためには、より多くの部品や素材をリユース・リサイクルすることが解体・破砕事業の収益性を高めることが必要となる。このため、「リユース拡大・リサイクルの質の向上と社会的コスト低減の好循環」を生み出す必要がある。

具体的には、以下の対策が実施される予定である。

  • 解体業者と自動車製造業者等の相互のコミュニケーションにより、環境配慮設計の効率的な導入や情報の提供を進めること。
  • これまで困難だった自動車製造業者等は環境配慮設計の定量化が実施し、十分な評価をすること。
  • 解体・破砕によって得られる再生資源の需要を喚起し、その付加価値を高めていくこと。
  • 安全で安価なリユース・リビルド部品によって整備・修理し、自動車における2R(リデュース・リユース)を推進すること。
  • 回収のタイミング(解体段階・破砕段階・ASR再資源化段階等)、収集方法、再資源化方法等による、自動車リサイクル全体の最適化を通じたリサイクルの質の向上を図ること。
  • リユース・リサイクルの推進・質の向上の進捗状況について把握し、自動車リサイクル制度全体の評価も適切に行うこと。

使用済自動車の再資源化等に関する法律(2002年)については、2012年1月に報告書をとりまとめた前回の見直しから5年が経過し、再度見直しを行うべき時期が到来した。このため、昨年8月から産業構造審議会(経済産業省)・中央環境審議会(環境省)の合同会議において、自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討について審議が進められていた。

そこで、今年9月に「自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)」が取りまとめられ、同案について、パブリック・コメントの手続を同年7月24日から同年8月24日まで実施していた。

今回、パブリック・コメント手続の結果も踏まえ、中央環境審議会から環境大臣に意見具申が行われた。

【参考】
環境省 - 「自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討について」(中央環境審議会意見具申)について

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