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アジア太平洋地域での「気候変動への適応計画」 国際的な議論すすむ

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環境省は、タイ・パタヤにて「アジア太平洋地域における適応計画の推進に関するワークショップ」を開催し、同地域における気候変動への適応計画の策定プロセス(NAPプロセス)および適応行動の実施に関する事例から得られる経験や教訓について、経験・知見の共有、意見交換を行った。

同ワークショップでは、アジア各国から日本または他国・他研究機関への協力要請や意見募集が積極的に行われ、日本もそれに応える意向を表明した。

議論の概要は、以下のとおり。

関連するステークホルダー間の調整

まず、アジア各国からの参加者によるパネルディスカッションにおいて、多くの国が関連する省庁間で気候変動に関連する調整メカニズムが具体例を交えて共有された。その上で、データ・技術的専門性の欠如や、地方政府・コミュニティ、気候変動の影響に脆弱な人々と協力していくことの難しさ等が指摘された。

これを強化していくには、意識啓発や非政府組織等に対する透明性のあるプロセスが重要であり、関係するステークホルダー間のコミュニケーションの円滑化のための定期的な会合の開催が効果的であることが改めて共有された。

また、多くの国が、異なる方法で各国が適応を国家開発・分野別の計画に取り組み、計画の実施段階への移行、国家予算を実際のプロジェクトに割り当てることに苦労しているという意見が共有された。

地域レベルでの適応策の実施についても、アジア諸国は難題として捉えており、意識啓発と伝統的な知識・科学的な知見を活用することが重要であることなどについて、具体的な事例を交えて意見が交わされた。

タイ・フィリピンの研究者からは、同国における脆弱性評価の取組の現状について、ベトナムの研究者からは同国におけるデータ・情報ニーズ収集の現状について、発表が行われた。これには、適応計画に関する脆弱性評価は、曝露・気候感度・適応能力の算定機能から構成され、データは優先分野や適応オプションを評価するために活用すべきであり、脆弱性を評価することは、どこが脆弱なのかだけではなく、誰が最も脆弱かを見極めるのに重要であること等について認識を共有した。

さらに脆弱性評価プロセスを前進させるためには、誰かが牽引者となり、脆弱性評価の目的を理解することが重要であり、「評価」だけを目的とした脆弱性評価はあまり意味がないことなどが指摘された。

水管理・農業に焦点をあてた事例研究

インドネシアより「農業保険のプロジェクト」、タイより「農業部門および水管理部門における適応への配慮」、東ティモールより「水管理分野での取組」について、それぞれの経験と知見が共有された後で他の参加者との議論が行われた。

気候変動がメコンデルタのような沿岸に近い途上国の水分野に大きな影響をもたらしていること、特に灌漑システム・災害リスク管理・水の安全保障と農業に影響を与えていることが議論された。

同ワークショップは、タイ天然資源環境省天然資源・環境政策計画局との共催により、10月29日(木)・30日(金)の2日間にかけて開催されたもの。

参加者は、アジア太平洋地域諸国(15カ国)および二国間協力機関や研究機関等(10機関)の適応計画や事業等の担当官・専門家等。約40名。

【参考】
環境省 - アジア太平洋地域における適応計画プロセス及び適応行動の推進に関するワークショップの結果

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