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青森県六ヶ所村の洋上風力発電、渡り鳥の飛来地として調査不足との指摘

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環境省は、10月30日、青森県上北郡六ヶ所村で総出力80,000kWの着床式洋上風力発電所を設置する事業である「むつ小川原港洋上風力発電事業」の環境影響評価準備書についての環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

環境大臣は鳥類の移動経路阻害の対策として、追加調査を実施し、重大な影響が明らかとなった場合には尾駮沼および鷹架沼の河口部近傍における風力発電設備の設置取りやめをふくむ事業の抜本的な見直しを行うことや、鳥類の視認性を高める措置を講じること、鳥類の飛翔状況の事後調査の適切な実施を行うこと、などを意見した。また、準備書ではウミスズメなどの希少種以外の渡り鳥(ヒレアシシギ類、スズガモなど)について、調査、予測および評価がなされていないとも指摘した。

環境大臣は以下の3つを意見として提出した。

1. 追加調査の実施

専門家の助言に基づいた追加調査を行い、鳥の移動経路を阻害するかどうかなどを予測、評価する。

2. 環境保全措置

1.の結果に基づき、必要な安全措置を講ずる。特にバードストライクや移動経路の阻害、餌場機能の喪失などの問題について、専門家や他事業者と連携を取り、客観的かつ科学的に最新の知見を用いて検討する。もし重大な影響が明らかとなった場合には、風力発電の設置を取りやめるなど事業の抜本的な見直しを勧告する。

3. 事後調査

事後調査および環境監視を適切に実施し、必要な場合は追加的に措置を講ずる。


環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置または変更の工事を対象事業としている。環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書について、経済産業大臣に意見を言うことができる。環境影響評価準備書とは、環境を保全する立場の意見を聴くための準備として、調査や予測、評価、環境保全対策の検討を実施した結果などを示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

この区域およびその周辺は、多くのガンやカモの渡り鳥の重要な飛来地として知られている。環境省の「日本の重要湿地500」に選定された小川原湖湖沼群、国指定の仏沼鳥獣保護区およびラムサール条約湿地となっている仏沼が位置しており、自然環境保全上、特に鳥類にとって重要な地域が存在している。本対象事業実施区域を含む小川原湖湖沼群から東側の地域については、風力発電設備が立地していない数少ない地域である。これらの点から、この区域の自然環境の保護は必要不可欠である。

【参考】
環境省 - むつ小川原港洋上風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

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