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「マグネシウム空気電池」を併設した災害対策用自販機 福島県に100台設置予定

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「マグネシウム空気電池」を併設した災害対策用自販機 福島県に100台設置予定

アサヒ飲料は、巽中央経營研究所(東京都中央区)と東北再生可能エネルギー協会(宮城県仙台市)が実施する「飲料自動販売機併設型マグネシウム空気電池導入プロジェクト」に参画し、マグネシウム空気電池を併設した災害対策用自動販売機を世界で初めて展開すると発表した。

本プロジェクトは、大容量発電のマグネシウム空気電池を搭載した飲料自動販売機を、避難場所などに設置して災害時の電力供給を確保するもの。2016年1月から、福島県内の学校や病院といった避難場所を中心に100台を設置予定で、2017年以降も福島県以外の被災県指定避難所への設置も検討していく。

今回併設するマグネシウム空気電池は、大容量発電が可能であり、災害時にはライフラインの復旧の目途となる72時間の電力供給を可能としている。自動販売機の継続稼働に加え、パソコンや複数の携帯電話、TVなども使用し続けることができるため、被災者にとって必要になる照明や情報、通信などのインフラとして活用することが可能となる。

11月14日(土)、15日(日)に「産業技術総合研究所臨海副都心センター一般公開」イベントで展示された自動販売機併設型マグネシウム空気電池の試作モデルのスペックは、最大出力がAC320W、容量が23kWh、使用時間は最大出力による負荷で最長72時間(環境温度0℃~50℃)。サイズがH1920×W650×D800mm、重量300kg(水込)。

大容量化したマグネシウム空気電池

マグネシウム空気電池とは、マグネシウムと水、空気を燃料とし、CO2やその他の公害物質を出さないため、環境負荷が少ないことで注目されている電池である。場所を選ばず、大型設備も不要、必要な時だけ作動させればいいため、災害時の電源として期待されてきたが、発電容量と導入方法が大きな課題だった。

そこで巽中央経營研究所は、産業技術総合研究所の技術サポートを得て、大電力化のためのシステムを開発した。この電池を避難所などに設置すると、災害時にライフライン普及の目途とされる3日間(72時間)の避難場所の環境を飛躍的に向上させることができる。

この技術を災害対策に役立てたいと考えた同研究所は、避難場所への導入方法を検討。飲料自販機の流通ルートを使って交換用電池の輸送・交換・回収・メンテナンスが容易に行えること、量産体制が完成すれば自動販売機への実装コストも比較的低いことから、新型燃料電池を装備した災害対策用自販機の開発と配備を進めることにした。

展開地域は、東北再生可能エネルギー協会により、災害対策機器へのニーズが高い東北の東日本大震災被災地から開始することとし、まずは福島県内で展開するスキームを構築した。同地域での飲料自販機の設置にあたっては、かねてから県内にビール工場を立地するなど深いつながりがあり、本社会貢献活動に賛同したアサヒグループの飲料事業を担うアサヒ飲料が事業をスタートする。

巽中央経營研究所によると、福島県内で2016年1月から100台を設置後、順次設置地域や対象施設を拡大して、年間3,000台の導入を目指す。2017年には年間10,000 台の生産体制を整えて、公共避難所以外の目的にも対応する計画だ。また、東北再生可能エネルギー協会により福島県指定の避難所以外の被災県指定の避難所へも設置拡大をする考え。

自動販売機を通して社会貢献活動

アサヒ飲料では、これまでも自動販売機を震災等の災害時における重要なライフラインであると考え、自動販売機を通して飲料水の提供以外の社会貢献に取り組んできた。例えば、2007年からは、年間消費電力量を約4割削減できる「ヒートポンプ自動販売機」の導入を開始し、2015年9月末時点で21万2,000台を展開する。また、2012年には、災害時に情報インフラとして活用できる「Wi-Fi搭載自動販売機」を飲料業界として初めて導入。2015年9月末時点で420台を展開中だ。今回の自動販売機展開を通して、災害時の避難場所の環境を飛躍的に向上させることで更なる社会貢献を目指す考えだ。

一般社団法人東北再生可能エネルギー協会は、2011年7月30日、福島県、宮城県、岩手県建築事務所協会連携よる再生可能エネルギーの普及活動並びに再生可能エネルギー関連の補助金普及活動を目的に設立。 グリーンニューディール補助金、エネルギー使用合理化補助金等の補助金導入サポートなどを実施している。

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