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生物多様性条約についての国際会合が終了 業界分野関係なく普及めざす

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環境省は11月16日、カナダのモントリオールで生物多様性条約について検討する2つの会合が、それぞれ11上旬に開催されたと発表した。

SBSTTA19の結果:生物多様性をもっと身近に

開催された会合のひとつ、SBSTTA19では、生物多様性の課題と価値の伝播や、保全意識向上を促進するにあたっての戦略計画を実施するうえでの科学技術的な課題、IPBESの作業計画をふまえたSBSTTAの取り組みなどについて議論された。本会合では、締約国代表のほか、国際機関、NGOなど400名の参加により、合計8本の勧告案が科学技術的観点から検討され、採択された。

SBSTTA(科学技術助言補助機関)とは、条約の実施状況を科学技術的な見地から締約国会議(COP)および他の補助機関に対して助言を行う機関。IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)とは、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化することを目的とするプラットフォームだ。 議論の結果は以下の通り。

1. 生物多様性の分野横断的な主流化を促進

「生物多様性の主流化」とは、生物多様性の保全と持続可能な利用を、地球規模から身近な市民生活のレベルまで、さまざまな社会経済活動の中に組み込むこと。今回は日本政府の提案により、国連生物多様性の10年(UNDB)を通じて多様な主体が参画するよう促進することがCOP13への勧告に記載された。

2. ガイドラインの準備

ステークホルダーの取り組みについての優良事例を条約事務局長が取りまとめ、農林漁業を含む分野横断的な主流化および統合を取り入れたガイドラインをSBI(補助機関)の第1回目の会合(2016年5月開催予定)までに準備する。

3. 生物多様性と人間の健康について

CBDとWHOが共同で作成した生物多様性と人の健康に関する文書をもとに議論。締約国がこれを活用して健康と生物多様性の繋がりについての理解を促進することを奨励する。

4. 気候関連のジオエンジニアリングについて

ジオエンジニアリング技術が生物多様性に及ぼす影響に関する最新情報をもとに議論。ジオエンジニアリングによる生物多様性や生態系機能・生態系サービス、社会経済的・文化的および倫理的課題、さらには規制オプションへの影響を理解するため、より分野横断的な研究が必要であることを喚起する。

5. 森林と生物多様性

戦略計画との整合性および森林関連の愛知目標の達成を促進するため、国連森林フォーラム(UNFF)事務局を含めた全ての森林に関する協調パートナーシップ(CPF)との協力を強化することを条約事務局長に求めるCOP13への勧告が採択された。

そのほか、愛知目標についての議論や、各テーマ・地域別の実施状況評価の準備などについて議論の結果が発表された。

WG8(j)9の結果:先住民との利益配分

もうひとつの会合、WG8(j)9では、生物多様性条約第8条(j)項および関連条項の実施推進などについて議論された。WG8(j)とは、生物多様性条約の第8条(j)項および関連条項の実施に取り組むために設置された専門のワーキンググループだ。

同条項は、昨今では先住民が伝統的に利用していた薬草から有用成分を見つけるなどした場合に、どのように先住民と利益配分するかなどの問題(ABS問題)に関わる条項としてルール作りが注目されている。

本会合では、締約国代表の他、先住民および地域社会団体、国際機関、NGOなど342名の参加により、合計5本の勧告案が検討され、採択された(一部留保が付いたものも含む)。

伝統的知識への事前の情報にもとづく同意および公正な利益配分のためのメカニズム開発のガイドラインのうち、「事前の情報にもとづく同意」については、参加国およびIPLCs(先住民族と地域コミュニティ)から各国の事情や既存法令を配慮した意見が出されたが、一部は合意できなかった。


このように、生物多様性は関心が多く集まっている問題の1つである。生態系サービスや生物資源は社会経済にとってはもちろん、社会経済を必要とする事業者にとっても重要な課題である。

【参考】
環境省 - 生物多様性条約第19回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA19)並びに第9回条約第8条(j)項及び関連条項に関するアドホック公開作業部会(WG8(j)9)の開催結果について

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