> > 日本も初の閣議決定、気候変動による被害を最小化するための「適応計画」

日本も初の閣議決定、気候変動による被害を最小化するための「適応計画」

記事を保存

政府は27日、気候変動の影響による被害の最小化を目指すために、今後おおむね10年間における基本戦略や分野別施策の基本的方向を示した、初めての「適応計画」を閣議決定した。

気候変動対策では、温室効果ガスの排出の抑制等を行う「緩和」とともに、すでに現れている影響や中長期的に避けられない影響に対して「適応」を進めることが求められている。

今回政府が策定した「気候変動の影響への適応計画」では、目指すべき社会の姿等の基本的な方針、基本的な進め方、分野別施策の基本的方向、基盤的・国際的施策を定めている。

基本戦略は5つ

基本戦略としては、(1)政府施策への適応の組み込み、(2)科学的知見の充実、(3)気候リスク情報等の共有と提供を通じ理解と協力の促進、(4)地域での適応の推進、(5)国際協力・貢献の推進、の5つをあげる。

分野別施策の基本的方向では、気候変動影響評価報告書において示された「農業・林業・水産業」、「自然災害・沿岸域」、「産業・経済活動」など7つの分野における適応の基本的な施策を示した。

具体的な施策としては、例えば、「農業・林業・水産業」分野では水稲の高温耐性品種の開発・普及、「自然災害・沿岸域」では災害リスクを考慮したまちづくりの推進等を掲げる。

より詳細な解説等は資源エネルギー庁のウェブサイトを参照のこと。

削減対策「緩和」とともに影響への対応策「適応」が柱に

温室効果ガスの排出削減等対策(気候変動の緩和)については、2012年の気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)において、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度以内に抑えるために必要とされる温室効果ガスの大幅な排出削減に早急に取り組むことが合意された。

しかし気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は第5次評価報告書において、温室効果ガスの削減を進めても世界の平均気温は上昇し、21世紀末に向けて気候変動の影響のリスクが高くなると予測している。

このため、気候変動の影響に対処するため、「緩和」と「適応」を進めることが重要とされている。

閣議決定までの経緯

政府全体の適応計画策定に向けて、中央環境審議会において、幅広い分野の専門家の参加の下、気候変動の影響の評価が行われ、平成27年3月に「日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題について」として環境大臣に意見具申が行われた。この意見具申で、日本でも様々な面で多様な影響が生じる可能性があることが明らかになった。

この評価結果を踏まえ、政府全体として、気候変動による様々な影響に対し、全体で整合のとれた取組みを計画的かつ総合的に推進するため、本年9月11日に開催された第1回気候変動の影響への適応に関する関係府省庁連絡会議において、「気候変動の影響への適応計画」について検討を行い、取りまとめることとした。

これを受けて、本年11月25日の第3回同連絡会議において、「気候変動の影響への適応計画(閣議決定案)」が取りまとめられ、27日、「気候変動の影響への適応計画」を閣議決定した。

なお、適応計画の概要を含む、日本の適応に関する取組みは、今後速やかに気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)へ報告する予定。

【参考】
環境省 - 気候変動の影響への適応計画について

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.